第4代総選挙 (大韓民国)

第4代総選挙の概要

第4代総選挙は、1958年5月2日に第一共和国時代の韓国で実施された、民議院議員を選出するための国政選挙です。韓国では選挙回数を「代」で数える慣習があり、この選挙もそのルールに従っています。選挙名は「総選挙」とは呼ばれず、「総選」と称されるのが特徴です。

基礎データ

この選挙は、選挙が行われる5ヶ月前の1月に改正された「協商選挙法」に基づいて実施されました。この法律は与党自由党と野党民主党の合意によって成立し、いくつかの重要なポイントが設定されました。具体的には、民議院は小選挙区制に、参議院は中選挙区制を採用します。また、選挙委員会は与野党の代表者によって構成され、候補者の登録には供託金制度が導入されました。

選挙制度と候補者数

この選挙では、民議院議員の改選議席数は233議席に増加され、候補者は811名が立候補しました。投票者数は10,164,428名であり、投票率は87.8%に達しました。

自由党による不正選挙

前回の1956年5月の大統領選挙では、民主党の張勉が副大統領に当選し、与党自由党は大統領継承権を手に入れられなかったことに不満を抱きました。この結果、自由党は数々の選挙不正を実施し、野党候補の妨害を行なうことになります。この選挙では自由党の候補者が無投票で当選する事態も発生し、警察も選挙に干渉していました。

不正選挙の手口

自由党は野党候補の登録を妨害し、無投票当選者を9名も出しました。また、特に注目されたのは新たな不正手法です。

• - ピアノ式開票：票読みの際に、態と野党候補の票を無効にするため投票用紙に朱肉をつける手法。
• - リレー式投票：投票者間で記入済みの投票用紙を渡し合い、自由党候補に投票する確認を行う方法。
• - フクロウ式夜間開票：開票中に自由党候補の票を増やすため、停電騒ぎを起こし暗闇の中で不正を行う方法。これらの手法は、前例のない選挙不正の一環として認識されています。

選挙結果

協商選挙法が大政党に有利に働いたため、自由党と民主党が圧倒的な議席を獲得しましたが、野党民主党も都市部を中心に議席を増やし、憲法改正を阻止するために必要な3分の1の議席を確保しました。このように、1960年代以降の選挙でも「与村野都」現象が確認されることになります。

当選者の背景

当選者は、自由党、民主党、統一党、無所属の議員から成り、複数の選挙区で野党が占める結果となりました。この選挙は当時の韓国政治における大きな転換を示しており、自由党の不正選挙により民主党が都市部において強い支持を得ることとなりました。選挙を通じて、韓国の政治状況や国民の意識がどのように変化していったのかを分析することは、今後の韓国政治を理解するうえでも重要なポイントとなるでしょう。

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