張勉

張 勉（チャン・ミョン）について

張勉は1899年8月28日に生まれ、1966年6月4日に亡くなった大韓民国の政治家および外交官で、その英語名はジョン・ミョン・チャンです。彼はソウルの鍾路積善洞に生まれ、仁同張氏の家系に属します。カトリック信者であり、洗礼名はヨハネです。日本の統治下では創氏改名により玉岡勉という名前でも知られていました。

幼少期と教育

幼少期は仁川で過ごし、父・張箕彬の影響で国際的な視野を養いました。彼の兄弟も教育などの分野で優れた業績を残しており、特に弟の張勃はソウル大学美術大学の初代学長として知られています。また、妹のアグネタは平壌の修道院の院長であり、朝鮮戦争中に殉教しました。

アメリカのマンハッタン・カトリック大学で留学後、張勉は教育及びカトリック界での活動を続けました。

外交官としての活動

1945年、日本の敗戦によって韓国が解放されると、カトリック勢力の支持を受けて政界に入ります。1948年には「5.10選挙」で制憲議会議員に選出されると、卓越した英語力を活かして外交官に転身します。同年12月にはパリでの国連総会に韓国代表団の首席として参加し、朝鮮半島の唯一の合法政府としての承認を求めました。

その後、彼は李承晩大統領から重用され、初代駐米韓国大使に任命されます。朝鮮戦争勃発時には、国連への韓国の承認や派兵を果たすために尽力しました。アメリカ側でも彼の国際感覚が高く評価され、米韓関係においても重要な立場を占めていました。しかし債務の影響でしばらく政治活動を制限されることとなります。

政界への復帰と副大統領就任

1955年に反李承晩勢力として民主党が旗揚げされた際、張勉は再び政治活動を開始します。そして1956年の大統領選挙では、与党自由党の李と対立し、民主党の副大統領に選出されました。これにより、与党と野党の間で権力が分かれる形となりましたが、実際には権限を発揮できない状態にありました。また、彼は狙撃事件にも見舞われ、常に自由党から警戒されていました。

第2共和国とその後

1960年の四月革命によって李承晩政権が崩壊すると、張勉は新しい政府体制の下で国務総理に就任します。その時代は議院内閣制であり、張は実質的な権力を持っていましたが、与党内での対立が激化し、政治的基盤は脆弱でした。1971年、朴正煕による軍事クーデターによって政権は崩壊し、張は政治活動を禁止されました。

政治家としての評価と死後の影響

張勉に対する評価は韓国国内で様々であり、彼の行動や決断には多くの批判が寄せられています。なお、彼は李承晩政権下での日韓国交正常化交渉を進めるなど、一定の功績も認められています。彼は5年後、1966年に肝炎により亡くなりますが、遺体は京畿道に埋葬され、1999年には建国功労勲章が追贈されました。

このように張勉の生涯は、韓国の近代史において重要な位置を占めており、今後もその評価は続くことでしょう。

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