第40回先進国首脳会議

第40回先進国首脳会議（G7サミット）

第40回先進国首脳会議は、2014年6月4日から5日にかけて、ベルギーの首都ブリュッセルで開催されました。この会議は当初、「第40回主要国首脳会議」、いわゆるG8サミットとして、ロシアのソチで開かれる計画でした。

しかし、2014年に発生したクリミア危機、特にロシアによるクリミア半島への軍事介入とそれに続く事態は、国際社会に大きな波紋を広げました。この状況を受け、G8加盟国の間でロシアのG8への参加資格停止や、グループからの追放について集中的な協議が行われました。その結果、同年3月24日、当時のイギリス首相であったデーヴィッド・キャメロン氏は、クリミア危機の影響により、首脳会議をロシアではなく、ロシアを除く主要7カ国（G7）のみでベルギーのブリュッセルにて開催することを発表しました。これにより、会議は予定通り6月4日にブリュッセルでG7サミットとして開催されることになったのです。各国のメディアはこの会議を「第40回先進国首脳会議」あるいは「G7サミット」と報じました。主要国首脳会議がG8形式からG7形式に戻ったのは、1997年の第23回サミット以来、実に17年ぶりのことでした。

会議の参加者

本来のG8サミットは、フランス、アメリカ合衆国、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ、そしてロシアの8カ国の首脳によって構成されます。これに加え、欧州連合（EU）の欧州理事会議長と欧州委員会委員長もサミットに常時参加しています。今回の第40回先進国首脳会議には、ロシアを除くG7加盟国の首脳7名と、EUからの代表2名が出席しました。特に欧州委員会委員長は、1981年以降、全ての主要国首脳会議およびその意思決定プロセスに深く関わっています。このブリュッセルでの会議は、当時のイタリア首相であったマッテオ・レンツィ氏にとって、初めて参加する主要国首脳会議となりました。

中止されたソチ開催計画

慣例として、先進国首脳会議ではホスト国が主要な議題を設定する役割を担います。ロシアでのG8開催が計画されていた際には、ロシア大統領府長官であったセルゲイ・イワノフ氏が、第40回G8首脳会議の準備組織委員会の委員長を務めていました。当時の期待としては、この会議で首脳たちは新たな世界的な脅威への対処に焦点を当てた議論を行う見込みでした。また、2014年のソチ冬季オリンピックで使用された施設が、本来であればこのG8サミットの会場として活用される手はずでした。

しかし、2014年のクリミア半島における事案の発生を受け、イタリア、日本、ドイツ、カナダ、フランス、イギリス、アメリカ合衆国のG7各国およびEUの欧州理事会議長、欧州委員会委員長は、ソチでのサミットへの参加を取り止めました。これは、ロシアの行動に対する国際社会の強い懸念を示すものでした。

G7各国の首脳は、共同声明を通じて、ロシアによるクリミア占領はG7が共有する原則に明らかに反しており、国連憲章や、ウクライナとの間で1997年に結ばれた黒海艦隊の地位および駐留条件に関する協定といった国際法に違反する行為であると、厳しく非難しました。

ブリュッセルでの開催と結果

計画変更を経て、2014年6月4日にブリュッセルで開催された（ロシアを除く）主要7カ国による首脳会議で、G7各国の首脳は改めて共同声明を発表しました。この声明では、ロシア政府がウクライナの主権を継続的に侵害している現状を強く非難するとともに、ウクライナでの行動に関連して、ロシアに対しさらなる経済制裁を含む措置を講じる用意があることを明確に表明しました。

2014年6月4日から5日にかけて行われたこの第40回先進国首脳会議は、同年3月のクリミア併合を受けて、主要国のグループからロシアが追放されて以降、初めて迎えた首脳レベルの会議であり、その後のG7のあり方を示す重要な一歩となりました。

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