第42回国民体育大会

第42回国民体育大会 概要

第42回国民体育大会は1987年に開催され、日本各地の競技者たちが集結しました。今回の大会は冬季と夏季・秋季に分かれて行われ、冬季は長野県、夏季・秋季は沖縄県で執り行われました。この大会のテーマは、冬は「信濃路国体」、夏・秋は「海邦国体」と定められており、スローガンには「きらめく太陽　ひろがる友情」が掲げられ、愛らしいマスコット「クイクイ」が親しまれました。

大会の背景

この年度は特に意義深いもので、国体が開催される都道府県が全国を一巡し、次年度からは二巡目に入ることが予定されていました。沖縄県においては山岳競技が行われない特徴がありましたが、近年では競技が可能になっている点が挙げられます。

冬季大会

冬季大会は長野県にて開催され、「信濃路国体」をテーマに、1987年1月27日から30日にかけてスケート競技とアイスホッケーが軽井沢町で行われました。また、スキー競技は2月19日から22日まで白馬村にて開催され、多くの参加者が寒冷な雪山に挑戦しました。

夏季大会・秋季大会

沖縄県では大会に合わせて各市町村に運動公園や陸上競技場、体育館が整備されました。特に新設された競技場には、宜野湾市立体育館や糸満市西崎総合体育館があり、県民のスポーツ環境が整えられました。

主会場

メイン会場は沖縄市泡瀬に新設された運動公園で、これに伴って泡瀬干潟の一部が埋め立てられました。これにより、多くの競技が円滑に行えるようになりました。

交通整備

大会に向けた交通インフラの整備も進められました。沖縄自動車道は名護市から那覇市まで延伸されるなど、道路整備も施されました。県内の交通アクセスが改善したことにより、大会来場者の利便性が高まりました。

宿泊施設の充実

国体開催に合わせて、沖縄では多くのリゾートホテルが建設されました。そのため、一般住宅を利用した「民泊」にも力が入れられ、大会参加者が宿泊しやすい環境が整いました。特に、バブル景気の影響を受けた宿泊施設の増加が目立ちました。

大会の出場選手

大会にはさまざまな有名選手が出場しました。ウェイトリフティングの平良朝治選手や、プロ野球選手の立浪和義、さらには日本代表のバスケットボール選手である長谷川誠選手など、各競技界で活躍する選手たちが軍団を成しました。

開催に伴う問題点

しかし、第42回国民体育大会は多くの問題を伴った大会でもありました。天皇行幸に関する配慮から、昭和天皇の訪問は実現を見ませんでした。皇太子夫妻が代わりに臨席し、昭和天皇の言葉を代読する場面が印象的でした。また、日章旗の掲揚や君が代の斉唱を巡る対立も発生し、その崩壊的な状況が大会の進行に影響を及ぼしました。

実施された競技

競技種目も多岐に渡り、陸上競技、水泳、サッカー、テニス、ボクシングなど多くのスポーツが行われました。特に沖縄ならではの文化が表れた種目もあり、国民体育大会としての側面が色濃く表現された大会となりました。

総合成績

最終的には、天皇杯と皇后杯において、地元沖縄がそれぞれ1位を獲得しました。特に沖縄県の活躍が際立ち、参加した選手や地域の盛り上がりを示す結果となったことが評価されました。大会は成功を収め、今後の国体開催に向けて弾みをつけるイベントとなりました。

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