第44回世界遺産委員会

第44回世界遺産委員会の開催

概要

第44回世界遺産委員会は、当初2020年6月29日から7月9日まで中国の福建省福州市で開催される予定でしたが、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の影響を受け、2021年に延期されることとなりました。最終的には2021年7月16日から31日まで、オンライン開催として実施されました。

この委員会では、新たに34件の世界遺産が登録され、1件の登録抹消が決定しました。その結果、世界遺産の総数は1154件に達しました（文化遺産897件、自然遺産218件、複合遺産39件）。

日程と開催場所

2020年の開催中止決定後、オンラインでの開催が決まるまでの過程は複雑でした。COVID-19のパンデミックはすでに広がっており、各国間で開催の可能性を議論しました。4月14日に最終的に中止が正式に発表され、2021年のオンライン開催に向けた準備が進められました。

オンライン形式での開催の特徴

今回の委員会は、従来のような物理的集会ではなく、画面越しの審議が行われる初の試みでした。委員国は自国から参加し、日々約500名が参加したため、通信環境や技術的な問題が多く発生しました。それに対処するため、複数の副会場も設置され、議題ごとに規模を分けて審議が行われました。

新規登録と登録抹消

委員会では、2020年および2021年の推薦物件がまとめて評価されました。34件の新規追加が行われ、特に文化的・自然的に意義深い資産が多数登録されることとなりました。登録抹消されたのは『海商都市リヴァプール』で、再開発の影響などからその価値が損なわれているとの評価が反映されました。

審議の過程

2021年の委員会では、新型コロナによる影響を考慮し、会期中、多くの国から意見が寄せられました。リヴァプールの登録抹消の際には、各国から様々な意見が出されたことが特徴的でした。特に、開発と遺産の保護のバランスを保つ必要性が強調されました。

努力と今後の展望

世界遺産の維持管理は、新型コロナによる影響を受けても続けられる必要があります。オンラインでの開催を通じて、各国の参加が促進され、新たな方法での遺産保護と持続可能な観光の推進に向けた議論がなされました。

この経験を基に、今後の世界遺産委員会や各国の文化遺産保護における国際的な協力が一層強化されることが期待されます。

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