第46期棋聖戦 (将棋)

第46期棋聖戦

将棋界における最高峰のタイトルの一つである棋聖戦。その第46期は、1985年度前期の棋戦として、1984年11月7日から1985年7月19日にかけて開催されました。多くの棋士がこの権威あるタイトルの獲得を目指し、熱戦が繰り広げられたシリーズです。

挑戦者決定戦

棋聖への挑戦権を争う道のりは、厳しいトーナメント形式で進められます。第46期においても、一次予選、二次予選、そして本戦という段階を経て、挑戦者が決定されました。この激しい予選・本戦トーナメントを勝ち抜いたのは、当時八段だった勝浦修棋士でした。勝浦八段は、現役棋聖である米長邦雄棋聖への挑戦権を獲得し、五番勝負に臨むことになりました。

棋聖戦五番勝負

タイトルを保持する米長邦雄棋聖に、勝浦修八段が挑む五番勝負は、大きな注目の中で幕を開けました。このシリーズは、最大5局行われますが、先に3勝した方がタイトルを獲得または防衛します。第46期五番勝負の結果は、米長棋聖が勝浦八段を3勝1敗で下し、棋聖のタイトル防衛に成功しました。

五番勝負の対局は、いずれも1985年に行われました。対局時間は、各対局者に持ち時間5時間が与えられるという長丁場の戦いです。この持ち時間制は、棋士が深く思考を巡らせ、高度な読み合いを展開することを可能にし、将棋の醍醐味の一つとなっています。

歴史的な海外対局

この第46期棋聖戦五番勝負には、将棋史において特筆すべき出来事がありました。それは、シリーズ第2局が、日本国外で開催されたことです。対局の舞台となったのは、米国ロサンゼルスのリトルトーキョー地区にあるホテルニューオータニでした。これは、日本の将棋界における公式タイトル戦としては、史上初の海外対局であり、将棋の歴史に新たな一頁を刻む画期的な試みとして大きな注目を集めました。

海外で行われた第2局は、日本の将棋ファンだけでなく、現地の日本人も含め、多くの関心を集めました。将棋という日本の伝統文化が、遠く海を越えた地で披露されたことは、将棋の国際化という観点からも重要な一歩と言えるでしょう。また、この第2局の記録に関しては、時間計算が現地時間に基づいて行われたことも特徴の一つです。

結びに

第46期棋聖戦は、米長邦雄棋聖がその実力を示し、タイトルを防衛したシリーズであると同時に、棋聖戦、そして将棋界全体にとって忘れられない出来事をもたらしました。初の海外対局という新たな挑戦が実現したことは、その後の棋戦にも影響を与え、将棋の可能性を広げる契機となったと言えるでしょう。このシリーズで繰り広げられた熱戦は、将棋ファンの記憶に深く刻まれています。

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