第5回社会人野球日本選手権大会予選

本稿は、第5回社会人野球日本選手権大会への出場権をかけた予選会の記録である。全国各地区で熱戦が繰り広げられ、狭き門を突破した22チームが本大会への出場を決めた。本戦出場枠は、北海道2、東北2、関東3、中部2、東海北陸2、近畿5、中国2、四国2、九州2の合計22代表であった。

北海道地区予選

北海道地区からは2チームが本戦へ進出した。1次予選を勝ち抜いたチームが代表の座を争った。特に2回戦では日産サニー札幌と札幌トヨペットが延長14回引き分け再試合となる熱戦を展開した。代表決定戦では、北海道拓殖銀行が日産サニー札幌に6対0で勝利。もう一つの代表決定戦では、大昭和製紙北海道が札幌鉄道管理局を1対0の接戦で下し、それぞれ本戦出場を決めた。

東北地区予選

東北地区の2つの本戦出場枠を争う予選には、各県1次予選を突破したチームが集結した。青森、岩手、秋田、宮城、山形、福島の各県でまず代表が選出された後、東北2次予選が開催された。東北2次予選の準決勝が代表決定戦となり、八戸市水道部が新日鉄釜石に2対0、仙台鉄道管理局がヨークベニマルに3対0でそれぞれ勝利し、本戦出場を決めた。決勝では八戸市水道部が仙台鉄道管理局を4対1で破っている。

関東地区予選

全国でも有数の激戦区である関東からは3チームが本戦へと駒を進めた。茨城、群馬、埼玉、千葉、東京、多摩、神奈川の各都県で1次予選が行われ、勝ち抜いたチームが関東2次予選に進出した。栃木県代表の全足利クラブも加わった関東2次予選では、各チームが本戦出場を目指しぶつかり合った。代表決定戦では、日産自動車が電電東京に5対2、富士重工業が東京ガスに5対4で競り勝ち、本戦出場権を獲得。残る1枠をかけた第3代表決定戦では、東京ガスが電電東京を2対1で下し、最後の代表となった。決勝戦は日産自動車が富士重工業を8対5で制している。

中部地区予選

中部地区の2つの代表枠は、新潟、富山、長野、山梨、静岡の各県予選を勝ち抜いたチームと、長野県の三協精機、電電信越が加わった2次予選で決定した。静岡県からは日本楽器、大昭和製紙、河合楽器の3チームが2次予選へ進出するなど、県予選から激戦が展開された。中部2次予選の準決勝が代表決定戦となり、三協精機が河合楽器に5対3、日本楽器が電電信越に7対1で勝利。この結果、三協精機と日本楽器が本戦出場権を手にした。決勝は延長12回の末、三協精機が日本楽器を4対1で破った。

東海北陸地区予選

東海北陸地区からは2チームが本戦へ出場した。地区予選では、王子製紙春日井、東海理化、トヨタ自動車、サンジルシ醸造、西濃運輸、名古屋日産、名古屋鉄道管理局、電電北陸などが激しい戦いを繰り広げた。代表決定戦では、王子製紙春日井がトヨタ自動車に5対2で、西濃運輸が名古屋鉄道管理局に延長13回の熱戦の末3対2で勝利を収め、それぞれ本戦出場権を獲得した。

近畿地区予選

最多の5チームが出場できる近畿地区は、京滋、大阪、兵庫の各府県1次予選と、和歌山県の住友金属を加えた2次予選で代表を選出した。各1次予選を突破した強豪チームが顔を合わせた近畿2次予選では、代表決定戦で川崎製鉄神戸が住友金属を7対3、三菱重工神戸が電電近畿を2対0、松下電器が神戸製鋼に3対2のサヨナラ勝ち、そして大丸が新日鉄堺との再試合を制し本戦出場を決めた。最後の1枠は敗者復活戦を勝ち上がった神戸製鋼が住友金属を3対0で破り獲得した。

中国地区予選

中国地区からは2チームが本戦へ進んだ。岡山、広島、山口の各県1次予選を勝ち抜いたチームが中国2次予選で代表の座を争った。2次予選の準決勝が代表決定戦となり、三菱重工広島が日本鋼管福山を5対2、電電中国が田辺製薬を1対0の僅差で下し、本戦出場を決めた。決勝は三菱重工広島が電電中国に7対1で勝利している。

四国地区予選

四国地区の2つの代表枠をかけた予選では、大倉工業、電電四国、阿波銀行、国鉄四国、丸善石油、四国銀行などが争った。準決勝が代表決定戦となり、大倉工業が阿波銀行に延長10回、4対3のサヨナラ勝ちで本戦出場を決定。もう一方の決定戦では国鉄四国が四国銀行を3対1で破り、代表権を獲得した。決勝は大倉工業が国鉄四国を5対4のサヨナラで制した。

九州地区予選

九州地区からは2チームが本戦へ出場した。1次予選を勝ち抜いたチームが代表決定戦に進み、電電九州が九州産交を7対2で、日鉱佐賀関が門司鉄道管理局を3対2で破り、それぞれ本戦への切符を手にした。決勝では電電九州が日鉱佐賀関を4対2で破り、地区予選を優勝で飾っている。

こうして、全国各地の厳しい予選を勝ち抜いた計22チームが、第5回社会人野球日本選手権大会本戦へとコマを進めたのである。

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