第5軍団 (アメリカ軍)

第5軍団について

第5軍団（V Corps）は、アメリカ陸軍の中で特に重要な役割を果たす部隊であり、その司令部はケンタッキー州ルイビルのフォート・ノックスに位置しています。かつては「Fifth Corps」という名称で知られていたこの軍団は、第一次世界大戦からコソボ紛争、さらには近年の対テロ戦争に至るまで、多くの歴史的な戦闘に執り行ってきました。

歴史と活動

第5軍団は1862年に創設され、当初はポトマック軍の隷下にありました。その設立当初から参加した半島方面作戦に加え、有名な七日間の戦いなど、多くの重要な戦闘に関与しました。1865年に一度解隊された後、軍団は米西戦争や第一次・第二次世界大戦に参加し、特にノルマンディーのオマハ・ビーチへの上陸作戦では、その戦略的重要性が際立ちました。第二次大戦後は占領業務にも従事し、1946年までその役割を果たしました。

その後、軍団は1951年に再びドイツに派遣され、冷戦時代には第7軍団の主力部隊としてフルダ渓谷の防衛に貢献しました。この時期、軍団は第1歩兵師団と第1機甲師団の2つの師団を隷下に持ち、欧州での具体的な防衛行動に取り組んでいました。

湾岸戦争においても、軍団の一部隊は参加しましたが、軍団全体としての活動は行われませんでした。1990年代には第173空挺旅団が再編され軍団に組み込まれるなど、部隊の構成は時代とともに変化しました。2000年代初頭には再編が進められ、最終的に2013年に軍団は閉隊されました。

再編成と現状

第5軍団は、2020年に陸軍省による再編成が発表され、再び注目を集めました。新しい司令部はフォート・ノックスに設置され、635人の兵士が配置されることが計画されました。この新たな司令部は、ヨーロッパの作戦指揮を強化し、地域の安定と安全の確保を目指しています。

同年、ジョン・S・コラシェスキー少将が新たな司令官に指名され、彼は中将に昇進し、ポーランドに前進司令部を設置する計画も進行中です。この前進司令部の役割は、アメリカ軍のローテーション部隊の運用計画策定や任務の指揮を行うとともに、同盟国との共同訓練や準備態勢を整えることです。

2021年以降、ポズナンに設置された前進司令部は、既存の部隊と協力し、アメリカ軍がヨーロッパでの存在感を確保し続けるための指揮統制を強化する重要な拠点となっています。特に、2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻に対応する任務を担っており、その活動は地域の安全保障にとって不可欠です。

結語

第5軍団は長い歴史を持つ部隊であり、これからもアメリカ陸軍の一翼を担っていくことが期待されています。再編成を経て、今後の展望に注目が集まる中、地域の安定と安全に寄与する重要な役割を果たし続けるでしょう。

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