第51回都市対抗野球大会

第51回都市対抗野球大会

第51回都市対抗野球大会は1980年11月1日から11月12日まで、後楽園球場を中心に開催されました。この大会は特に特異な時期に行われ、「晩秋の球宴」として位置づけられました。実際、都市対抗野球大会が10月以降に行われたのは今回が初めてであり、代替として第7回日本選手権大会が5月に前倒しで実施されました。

概要

この大会は、前年に開催された世界アマチュア野球選手権（現在のIBAFワールドカップ）の影響を受け、開催都市は異なるものの異様な盛り上がりを見せました。新たに参加したのは、札幌市の札幌トヨペット、千葉市の川崎製鉄千葉、東京都のプリンスホテルの3チームです。

前回大会から導入された金属バットの影響により、ホームランの数が急増。大会全体で57本のホームランが打たれるという異常な状況になり、特に大昭和製紙北海道が12本のホームランを記録しました。この本数はその後の大会での最多記録の一部として記憶されています（最終的には第62回大会で東芝が17本を打つまで更新されることはありませんでした）。

札幌トヨペットの奮闘

札幌トヨペットは、北海道予選の決勝リーグにおいて、過去の常連である電電北海道と新日鉄室蘭を相手に勝利を収めました。この活躍により初出場を果たした彼らは、王子製紙苫小牧から補強した樋口投手の活躍もあって、接戦を連勝し決勝進出を果たしました。彼らの躍進は大会の注目の的となりました。

決勝戦

決勝戦は大昭和製紙と札幌トヨペットの間で行われました。富士市に本拠地を持つ大昭和製紙は29回目の出場。試合は2回の時点で大昭和が一挙に6得点を上げ、試合の主導権を握りました。札幌トヨペットも粘りを見せましたが、最終的には大昭和製紙が10年ぶりとなる3回目の優勝を果たしました。

表彰選手

大会終了後、各種の表彰が行われました。橋戸賞には大昭和製紙の杉本正投手、久慈賞には札幌トヨペットの樋口博美投手が選ばれました。また、札幌トヨペット自体も小野賞に輝くなど、彼らの成果は高く評価されました。若獅子賞は札幌トヨペットの辻野聖一選手に授与されました。

応援団コンクール

大会の一環として行われた応援団コンクールでは、川崎製鉄千葉が最優秀賞を、さらに新日鉄釜石が優秀賞を手にしました。敢闘賞は大昭和製紙と札幌トヨペットが分け合う形となり、特別賞にはプリンスホテルが輝きました。

この年の大会は東京12チャンネル（現在のテレビ東京）によって夕方の時間帯において注目カードが生中継され、多くのファンに楽しんでもらうことができました。

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