第52回NHK紅白歌合戦

第52回NHK紅白歌合戦

2001年12月31日、東京のNHKホールで行われた『第52回NHK紅白歌合戦』は、21世紀に入ってからの最初の紅白としても知られています。放送は19時30分から2部に分けて行われ、特にリアルタイム字幕放送が世界で初めて実施されるなど、革新的な試みがあった年でもあります。

司会者の選び方

この年の紅白は、NHK会長の海老沢勝二氏の強い意向により、出演者は全てNHKのアナウンサーで固められました。司会を務めたのは紅組が有働由美子、白組が阿部渉で、総合司会は三宅民夫が担当しました。これにより、アナウンサー陣は全員が持ち歌や台本を暗記し、その結果緊張感とともに多くの注目を集めました。特に、有働は司会業に対する意気込みを見せ、過去にヒロイン役を演じた国仲涼子に対する候補生としての報道もありましたが、最終的にはNHKアナウンサーが主導する形での進行が実現しました。

番組の特別な演出

当日のステージは一新され、司会者や出演者の名前表示もスタイルが変わりました。演歌系の歌手は楷書体で表示されるなど、この年の紅白は視覚的にも新しいアプローチが試みられました。特に、Kiroroが歌った「Best Friend」や安室奈美恵のパフォーマンス中に起こったハプニングは話題となりました。

さらに、ザ・ドリフターズの出場は多くの笑いを誘い、ショーコーナーで復活した「少年少女聖歌隊」も印象的な部分でした。森昌子が久しぶりに登場し、ヒット曲メドレーを披露したときには、場内から大きな歓声が沸き上がりました。特に、河島英五を追悼する形で堀内孝雄がその曲を歌い上げたシーンは多くの感動を呼びました。

務めたゲストや後援者

特別ゲストとして、木村弓が『千と千尋の神隠し』の主題歌を披露しました。また、アニメ『とっとこハム太郎』とのコラボもあり、多世代を巻き込んだ盛り上がりを見せました。紅組のトリは和田アキ子の「夢」で、白組トリは北島三郎が「山」を歌い上げました。最終的に優勝は白組となり、阿部の涙が印象的でした。

視聴率とその評判

視聴率については、関東地区でCHEMISTRYと氷川きよしが最高の52.4%を記録し、関西地区に至っては吉幾三が56.6%という高数字をマークしました。これにより、前年以上の視聴者数を獲得し、歴史的な回となりました。有働の司会は聴きやすくて安定感があるとの高評価を受け、翌年も司会を続投することが決まった要因ともなりました。

紅白歌合戦は日本の年末年始における恒例行事であり、多くの人々にとっての楽しみの一部です。第52回はその中でも特別な年となり、今後の紅白に多くの影響を与える回として記憶されることでしょう。

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