第56回ニューヨーク映画批評家協会賞

ニューヨーク映画批評家協会賞は、毎年、その年に公開された優れた映画作品に対して贈られる権威ある賞です。

1990年の映画を対象とした『第56回ニューヨーク映画批評家協会賞』の受賞結果は、1990年12月18日に発表されました。そして、受賞者や受賞作品を称える授賞式は、翌年の1991年1月13日に開催されています。

この年の各部門における主な受賞者は以下の通りです。

主要部門受賞者・受賞作品

作品賞:
最も優れた作品に選ばれたのは、マフィアの世界を描いたマーティン・スコセッシ監督の『グッドフェローズ』でした。この作品は、後に続く多くのアワードでも高く評価されることになります。

主演男優賞:
主演男優賞には、ロバート・デ・ニーロが輝きました。彼の対象作品は2本あり、『グッドフェローズ』での演技に加え、『レナードの朝』での繊細な演技も評価されての受賞となりました。異なるタイプの役柄で見せた演技力が認められた形です。

主演女優賞:
主演女優賞を受賞したのは、ジョアン・ウッドワードです。彼女は、『ミスター&ミセス・ブリッジ』での演技が高く評価されました。アイボリー・マーチャント作品におけるその深みのある演技が批評家の支持を得ました。

助演男優賞:
助演男優賞は、ブルース・デイヴィソンに贈られました。受賞対象作品は『ロングタイム・コンパニオン』です。この作品での印象的な演技が評価対象となりました。

助演女優賞:
助演女優賞には、ジェニファー・ジェイソン・リーが選ばれました。彼女もまた複数の作品での演技が評価されており、『ブルックリン最終出口』と『マイアミ・ブルース』の2作品におけるパフォーマンスに対してこの賞が贈られました。

監督賞:
監督賞は、作品賞を受賞した『グッドフェローズ』を手がけたマーティン・スコセッシが受賞しました。彼の卓越したストーリーテリングと演出手腕が改めて認められた結果と言えるでしょう。

脚本賞:
脚本賞は、『ミスター&ミセス・ブリッジ』の脚本を担当したルース・プラワー・ジャブヴァーラが受賞しました。主演女優賞受賞作でもあり、原作の小説を見事に脚色した手腕が評価されました。

撮影賞:
撮影賞は、ヴィットリオ・ストラーロに贈られました。対象作品は『シェルタリング・スカイ』です。その幻想的で美しい映像世界が高く評価されての受賞となりました。

外国語映画賞:
最も優れた外国語映画には、ドイツ映画の『ナスティ・ガール』が選ばれました。本国ドイツでも評価された作品が、ニューヨークの批評家にも認められた形です。

新人監督賞:
新人監督賞は、ホイット・スティルマンが受賞しました。対象作品は『メトロポリタン』です。彼のデビュー作でありながら、批評家から高い評価を得たことがこの受賞につながりました。

特別賞

この回では、通常の部門賞とは別に特別賞も授与されました。特別賞は、Film Forum、Karen Cooper、そしてBruce Goldsteinの三者に贈られています。彼らの映画界への貢献が称えられたものです。

全体として、第56回ニューヨーク映画批評家協会賞は、マーティン・スコセッシ監督の『グッドフェローズ』が作品賞と監督賞の主要2冠を獲得するなど、この年の重要な作品や映画人を明確に評価する結果となりました。また、複数の作品での演技が認められた俳優もおり、多様な才能に光が当てられた授賞となりました。

もう一度検索