第59回ゴールデングローブ賞

2002年 1月20日、ロサンゼルス近郊のビバリーヒルズにて、第59回ゴールデングローブ賞の授賞式が盛大に催されました。この賞は、ハリウッド外国人映画記者協会によって、その年の優れた映画およびテレビ番組、そしてそれらに携わった人々を表彰するものです。アカデミー賞の重要な前哨戦としても位置づけられており、例年多くの注目を集めています。

映画部門の栄冠

映画部門で最も権威ある賞の一つである作品賞ドラマ部門には、数学者ジョン・ナッシュの半生を描いた感動的な物語、『ビューティフル・マインド』（ロン・ハワード監督）が選ばれました。この部門には、他に『イン・ザ・ベッドルーム』、『ロード・オブ・ザ・リング』、『バーバー』、『マルホランド・ドライブ』といった力作がノミネートされていました。

作品賞ミュージカル・コメディ部門は、豪華なセットと衣装、そして既存のヒット曲を用いた斬新なミュージカル映画、『ムーラン・ルージュ』（バズ・ラーマン監督）が受賞しました。『ブリジット・ジョーンズの日記』、『ゴスフォード・パーク』、『キューティ・ブロンド』、『シュレック』といった個性豊かな作品群の中から頂点に立ちました。

監督賞には、『ゴスフォード・パーク』で手腕を発揮したベテラン監督、ロバート・アルトマンが輝きました。同部門には、『ビューティフル・マインド』のロン・ハワード、『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソン、『ムーラン・ルージュ』のバズ・ラーマン、『マルホランド・ドライブ』のデヴィッド・リンチ、『A.I.』のスティーヴン・スピルバーグなど、錚々たる顔ぶれがノミネートされていました。

演技に関する賞では、主演男優賞ドラマ部門を『ビューティフル・マインド』で難しい役どころを演じきったラッセル・クロウが、主演女優賞ドラマ部門を『イン・ザ・ベッドルーム』での迫真の演技が評価されたシシー・スペイセクが受賞しました。

ミュージカル・コメディ部門では、主演男優賞に『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』のジーン・ハックマンが、主演女優賞には『ムーラン・ルージュ』でその歌声と演技を披露したニコール・キッドマンが選ばれました。ニコール・キッドマンは、『アザーズ』でドラマ部門の主演女優賞候補にも挙がっていました。

助演賞では、『アイリス』のジム・ブロードベントが助演男優賞を、『ビューティフル・マインド』での繊細な演技が光ったジェニファー・コネリーが助演女優賞を獲得しました。助演女優賞にはジェニファー・コネリーの他、キャメロン・ディアス、ヘレン・ミレン、マギー・スミス、マリサ・トメイ、ケイト・ウィンスレットといった実力派がノミネートされていました。

その他の映画部門の受賞では、脚本賞を『ビューティフル・マインド』のアキヴァ・ゴールズマンが受賞。作曲賞は『ムーラン・ルージュ』のクレイグ・アームストロングが手にしました。主題歌賞には、『ニューヨークの恋人』から、スティングが歌う「アンティル…」が輝きました。外国語映画賞は、旧ユーゴスラビアを舞台にした反戦映画『ノー・マンズ・ランド』（ボスニア・ヘルツェゴビナ、イタリア、スロベニア合作）が受賞しました。

テレビ部門の成果

テレビ部門の作品賞ドラマシリーズは、家族経営の葬儀屋を舞台にした人間ドラマ『シックス・フィート・アンダー』が受賞しました。この部門には、『24 -TWENTY FOUR-』、『エイリアス』、『CSI:科学捜査班』、『ザ・ソプラノズ哀愁のマフィア』、『ザ・ホワイトハウス』といった人気シリーズがノミネートされました。

作品賞コメディシリーズは、ニューヨークに暮らす4人の女性たちの日常を描いた『セックス・アンド・ザ・シティ』が栄誉に輝きました。他に『アリー my Love』、『そりゃないぜ!? フレイジャー』、『フレンズ』、『ウィル&グレイス』が候補でした。

作品賞ミニシリーズ/テレビ映画部門では、第二次世界大戦中のヨーロッパ戦線を描いた骨太なドラマ『バンド・オブ・ブラザース』が受賞しました。

テレビ演技部門では、主演男優賞ドラマシリーズに『24 -TWENTY FOUR-』のキーファー・サザーランドが、主演女優賞ドラマシリーズには『エイリアス』でスパイを演じたジェニファー・ガーナーが選ばれました。

コメディシリーズでは、主演男優賞を『スピン・シティ』のチャーリー・シーンが、主演女優賞を『セックス・アンド・ザ・シティ』のサラ・ジェシカ・パーカーが受賞し、それぞれの代表作での演技が評価されました。

ミニシリーズ/テレビ映画部門の主演男優賞は『DEAN/ディーン』で伝説的俳優を演じたジェームズ・フランコが、主演女優賞は『ジュディ・ガーランド物語』のジュディ・デイヴィスが受賞しました。

助演男優賞には『謀議』のスタンリー・トゥッチが、助演女優賞には『シックス・フィート・アンダー』のレイチェル・グリフィスがそれぞれ輝きました。

祭典の総括

第59回ゴールデングローブ賞は、映画部門では『ビューティフル・マインド』が作品賞ドラマ部門を含む最多の4部門を受賞し、その年の主要な賞レースをリードする存在感を示しました。『ムーラン・ルージュ』も作品賞ミュージカル・コメディ部門を含む3部門を受賞し、ミュージカル映画の成功を印象づけました。テレビ部門でも、新旧の話題作や実力派俳優たちが多数受賞し、エンターテインメントの多様性と質の高さを改めて示す祭典となりました。

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