第60回全国大学ラグビーフットボール選手権大会

大学ラグビー界の頂点を決める「第60回全国大学ラグビーフットボール選手権大会」は、2023年11月19日に幕を開け、年を跨ぎ2024年 1月13日の決勝戦まで、およそ2ヶ月にわたり開催されました。記念すべき60回大会では、帝京大学が圧倒的な実力を見せつけ、見事3年連続12回目の優勝という偉業を達成しました。

大会形式と参加チーム

今大会は、全国から集まった計14チームによる変則トーナメント方式が採用されました。出場枠は、関東大学対抗戦Aグループ、関東大学リーグ戦1部、関西大学リーグ戦Aリーグの上位校を中心に、前年度の優勝・準優勝チーム所属リーグ枠、さらに北海道・東北、東海・北陸・中国・四国、そして九州各地区の代表校に与えられました。特に、前年度大会から引き継がれた変更点として、3回戦からの参加校におけるシード順位の配置が見直され、大会の戦略性に影響を与えました。また、今大会も株式会社ニップンが特別協賛として大会を支えました。

日程と開催地

各ラウンドは以下の日程で行われました。

1回戦：2023年11月19日
2回戦：2023年11月26日
3回戦：2023年12月17日
準々決勝：2023年12月23日
準決勝：2024年1月2日
決勝：2024年 1月13日

試合会場はラウンドによって異なり、国立競技場が準決勝以降のクライマックスを彩りました。準々決勝および3回戦は秩父宮ラグビー場（東京）とヨドコウ桜スタジアム（大阪）で開催され、2回戦はベスト電器スタジアム（福岡）、1回戦はパロマ瑞穂ラグビー場（愛知）で行われるなど、全国各地で熱戦が繰り広げられました。

出場校

今大会には、各地区の予選を勝ち抜いた強豪校が出場しました。

シード校として準々決勝から登場したのは、関東大学対抗戦Aグループ1位の帝京大学（25年連続31回目）、関東大学リーグ戦1部1位の東海大学（19年連続21回目）、関西大学リーグ戦Aリーグ1位の京都産業大学（11年連続37回目）、そして関東大学対抗戦Aグループ2位の明治大学（15年連続52回目）でした。

3回戦からは、関東対抗戦Aグループ3位の早稲田大学（40年連続57回目）、同4位の筑波大学（2年連続25回目）、同5位の慶應義塾大学（4年連続40回目）、関東リーグ戦1部2位の流通経済大学（2年連続23回目）、同3位の法政大学（6年ぶり33回目）、関西Aリーグ2位の天理大学（10年連続32回目）、同3位の関西学院大学（4年ぶり12回目）が登場しました。

さらに、2回戦からは九州代表の福岡工業大学（2年連続29回目）が、1回戦からは東海・北陸・中国・四国代表の中京大学（25年ぶり15回目）と北海道・東北代表の八戸学院大学（5年連続6回目）が参戦し、全国各地の特色あるラグビーを見せました。

大会のハイライトと特記事項

今大会は、実力伯仲のチームが多く、シード校以外からも力強い挑戦がありました。しかし、最終的には準々決勝から登場した帝京大学がその強さを遺憾なく発揮し、決勝へと駒を進めました。決勝戦では、相手チームとの激しい攻防を制し、見事に3連覇、そして通算12度目の大学日本一の座に輝きました。

大会運営においては、いくつかの特筆すべき出来事がありました。まず、2024年 1月1日に発生した令和6年能登半島地震を受け、日本ラグビーフットボール協会は被災地支援のため、準決勝および決勝のチケット収益の一部を寄付することを決定しました。また、準決勝のテレビ中継がNHK総合テレビからEテレに変更されるという調整もありました。

さらに、決勝戦が開催された2024年 1月13日には、試合中に雷雨が発生するというアクシデントに見舞われました。安全を考慮し、試合時間前半の22分頃に一時中断。約55分間の待機を経て無事再開され、最後まで選手たちは熱戦を繰り広げました。これらの出来事も、第60回大会の記憶に刻まれる一幕となりました。

多くのラグビーファンが注目する中、大学ラグビーの最高峰を決める熱い戦いは無事閉幕しました。次世代を担う学生ラガーマンたちの躍動は、多くの人々に感動と興奮を与えました。

もう一度検索