第62回有馬記念

第62回有馬記念

2017年12月24日、中山競馬場で行われた第62回有馬記念は、競馬ファンにとって特別な意味を持つレースとなりました。キタサンブラックが優勝を飾り、歴史に名を刻む瞬間となったこのレースについて詳しく見ていきましょう。

ファン投票と出走馬

有馬記念の出走馬は、11月18日から12月3日まで実施されたファン投票によって選ばれ、最終的には1,386,468票が集まりました。中間発表が複数回行われ、最終的にエントリーした馬たちが揃ってこの偉大な舞台に臨むこととなりました。出走馬の中には、GI競走での活躍が目立つキタサンブラックや、スワーヴリチャード、シュヴァルグラン、サトノクラウンなど、強力なライバルが揃いました。

レース前の状況

レースが行われる直前、キタサンブラックは当年のGI競走で3勝を上げ、さらにはGI6勝を挙げている実力馬として注目の的となりました。本レースは引退レースとされる中、キタサンブラックの獲得賞金がテイエムオペラオーを超えることが期待されており、オッズは1.9倍がつきました。このような状況の中で、ほかの有力馬も好調にレースを迎えていました。

レース当日の状況

2017年12月は関東地方でほとんど雨が降らず、道場の状態も良好でした。当日の天候は曇り時々晴れで、馬場状態は芝・ダートともに良好なコンディションでレースがスタートしました。出走馬は、各馬がスムーズにゲートに入ることができ、円滑にスタートとなりました。

レース展開

レースが始まると、キタサンブラックは素晴らしいスタートを切り、先頭に立ちました。後続はシャケトラ、ヤマカツエースが数馬後方で追い始め、シュヴァルグランやサトノクラウンは中団からの待機策を選びました。レースは少しゆったりとしたペースで進みましたが、3・4コーナーで有力馬たちが質の高い進出を開始しました。

特に、クイーンズリングの騎手が外に斜行したため、スワーヴリチャードの騎手ともにトーセンビクトリーやシュヴァルグランが不利を受ける場面もありました。しかし、混乱の中でもキタサンブラックは力強く逃げ切り、見事にゴールイン。その後、2着にはクイーンズリング、3着にはシュヴァルグランが入りました。

レースの結果と記録

このレースでキタサンブラックは、優勝賞金3億円を手にし、過去の記録を塗り替えました。これにより彼はテイエムオペラオーを抜いてJRA通算獲得賞金歴代1位に立ちました。騎手の武豊もこの勝利で有馬記念3勝目を達成し、池添謙一とともに最多勝利記録を持つこととなりました。

当日の最終レース終了後には、キタサンブラックの引退セレモニーも行われ、多くのファンが彼の活躍を見守りました。特に印象的だったのは、引退馬が同時に2着と5着に入るという歴史的な出来事であり、競馬ファンの心に残る瞬間となりました。さらに、このレースは2023年に放送された『ウマ娘プリティーダービー』の劇中にも取り上げられ、競馬の文化が広がる一因ともなっています。

有馬記念はただのレースではなく、数々のストーリーやドラマが詰まった特別な舞台です。キタサンブラックをはじめとする出走馬たちの努力と情熱が結実した瞬間、競馬ファンの心に深く刻まれることでしょう。

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