第63回東京箱根間往復大学駅伝競走
第63回東京箱根間往復大学駅伝競走
第63回東京箱根間往復大学駅伝競走が1987年1月2日から3日まで開催されました。この大会は、早稲田大学をはじめとする多くの大学が参加し、学生アスリートたちの熱戦が繰り広げられました。特に、この年から日本テレビによる生中継が始まり、多くのファンにとって身近な存在となったことが特徴です。
実施日程
スタート地点は大手町読売新聞東京本社前で、途中鶴見、戸塚、平塚、小田原を経由し、箱根町芦ノ湖駐車場入口でのゴールを迎えました。
復路は箱根町芦ノ湖駐車場入口からスタートし、往路同様の地点を経由して大手町へと戻ります。
- - 予選会：1986年11月3日
参加大学
この大会には山梨学院大学が初めて出場しました。前年に参加した亜細亜大学は予選で敗退し、出場は叶いませんでした。
大会の概要
1区では、早稲田大学の池田克美選手が3km地点で腹痛に見舞われ、一時的に単独最下位に。それでも彼は挽回し、タスキをトップでリレーしました。続く2区では大東文化大学の只隈伸也選手が6人を抜いて素晴らしい走りを見せます。3区では中央大学の吉崎修選手が区間賞を獲得し、19年ぶりに先頭に立ちましたが、4区では日本体育大学が他の選手とは一線を画し、なんと1分50秒の差をつけて往路優勝を飾りました。連覇が期待された順天堂大学は3位に。
6区では中央大学の黒沢一道選手が区間新記録を樹立し、先頭を守ったまま8区まで突き進みます。しかし、日本体育大学と順天堂大学も近い距離を保っており、戸塚中継所では3校が接近戦を展開しました。9区では日本体育大学の別府健至選手が勢いを増し、順天堂大学の横道正憲選手に追いつきます。16.3km地点で横道選手がスパートし、最初に脱落したのは瀬田選手で続いて別府選手も痙攣に苦しむこととなり、結果として順天堂大学がトップでタスキを引き継ぎました。
順天堂大学の10区・工藤康弘選手は、途中で沿道から飛び出した男性によって転倒するというアクシデントに見舞われましたが、後続との差を保ちながら見事に逃げ切り、総合での2連覇を達成。2位は日本体育大学と1分05秒差、3位は中央大学と1分33秒差という僅差でした。
シード権争いと記録
シード権を賭けた争いでは、往路11位の専修大学が7区で松本卓也選手の区間新記録の快走で6位に浮上し、そのまま7位でフィニッシュ。往路12位の筑波大学も9区で弘山勉選手が好走し、シード圏内の9位へと浮上しました。一方で、往路7位の駒沢大学と9位の農業大学は総合で後退し、シード権を逃す結果に終わりました。また、この大会は史上初めて全15校がタスキを繋ぎきった大会でもあります。
成績
各大学がしのぎを削り、感動的な走りを見せた第63回東京箱根間往復大学駅伝競走は、多くの観客に記憶に残る大会となりました。
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