第63回NHK紅白歌合戦

第63回NHK紅白歌合戦

第63回NHK紅白歌合戦は、2012年12月31日に放送されました。この年の紅白は、特に記念すべきものでした。NHK会長の松本正之は、番組の開催に向けて、プレス会見で「歌の力で、日本人が自信を持って新たな一歩を踏み出そう」と話し、番組のテーマ"ニッポン ラララ♪ 歌で 会いたい。"が設定されました。このテーマは、東日本大震災からの復興を感じられるような温かいメッセージを込めており、今年の紅白は多くの人々が共感し、楽しめる内容になっていました。

放送までの準備は緻密に行われ、司会者が発表されたのは2012年10月16日。紅組司会には堀北真希、白組には人気グループ・嵐が迎えられ、総合司会は有働由美子が務めました。特に屋外での司会発表は初めての試みであり、話題をさらいました。

出場歌手は11月26日に公開され、特にこの年は初出場が多く、新しい才能が舞台に立つ機会を得ました。出場アーティストとして、ももいろクローバーZや関ジャニ∞などの若い世代が加わり、会場も新しい風で満たされました。特に、ももいろクローバーZは紅白出場への夢を5年間追い続け、やっと叶った瞬間がファンに感動をもたらしました。

放送当日は、従来の紅白のスタイルを守りつつも、新技術を取り入れた演出が特長的でした。前半戦のオープニングでは川井憲次が作曲した「Meet the Music」が流れ、華やかなスタートを切りました。また、ゴールデンボンバーのパフォーマンスでは、観客が一体となり楽しむ姿が印象的でした。

後半では、AKB48が「日本ラララ」と「がんばろう」の人文字を披露し、フィナーレに向けて一層盛り上がりを見せました。特にMISIAの生中継は、ナミビアの美しい風景背景のもと、特別な企画として視聴者の心を掴みました。

演出面でも、今年はARシステムやLEDライトなどが駆使され、視覚的にも楽しませる工夫がされました。それに加えて、各界の著名人がゲスト審査員に参加し、話題性も抜群でした。結果的には、白組が351,942対318,625の票数で勝利を収め、二年ぶりの優勝を果たしました。

さらに特筆すべき点は、平均視聴率が関東地区で、第1部が33.2%、第2部が42.5%と10年間の傾向を打破しつつ連続して高視聴率を記録したことです。特に瞬間最高視聴率は50.8%と、結果発表前の白熱した盛り上がりを示しました。

第63回NHK紅白歌合戦は、音楽とともに、希望や新たな出発を象徴する素晴らしい催しとなりました。そして、この特別なイベントは日本の年越しを彩る重要な一幕として、多くの人々の心に残るものとなったのです。

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