第64回ゴールデングローブ賞

2007年 1月15日に発表された第64回ゴールデングローブ賞は、ハリウッド外国人映画記者協会が主催する権威ある映画とテレビの祭典です。授賞式は同日夜、アメリカではNBCを通じて生中継され、多くの注目を集めました。日本国内では、同年2月3日にNHK-BS2で録画放送され、日本の視聴者もこの華やかなイベントを楽しむことができました。

この年の対象となった作品は非常に多岐にわたり、映画部門では184作品（ドラマ119、コメディ/ミュージカル65）、アニメーション映画16作品、そしてテレビ部門では124シリーズ（ドラマ73、コメディ31）、38本のテレビ映画およびミニシリーズ、さらには56本の外国語作品が選考の対象となりました。

候補発表と最多候補作品

ノミネート作品の発表は、授賞式に先立つ2006年 12月12日の早朝に行われました。ジェシカ・ビールやマシュー・ペリーといった俳優たちがプレゼンターを務め、各部門の候補が明らかになりました。

映画部門で最も多くの候補となったのは、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の『バベル』で、合計6部門7候補にノミネートされました。しかし、受賞は作品賞（ドラマ部門）のみに留まりました。続いて、マーティン・スコセッシ監督の『ディパーテッド』が5部門6候補（うち1部門受賞）、そしてミュージカル映画の『ドリームガールズ』が5部門にノミネートされ、最多となる3部門での受賞を果たしました。
テレビ部門では、人気シリーズの『グレイズ・アナトミー恋の解剖学』と『Weeds ～ママの秘密』がそれぞれ最多となる4部門で候補となりましたが、『Weeds ～ママの秘密』は残念ながら受賞を逃しています。

個人の栄誉と新設部門

俳優や監督の中にも複数の部門で候補となった人物がいました。特にヘレン・ミレンは3部門で候補に挙がり、そのうち2部門で受賞するという快挙を成し遂げました。アネット・ベニング、エミリー・ブラント、キウェテル・イジョフォー、レオナルド・ディカプリオといった実力派俳優たちもダブル候補となり、中でもエミリー・ブラントは助演女優賞（テレビ部門）を受賞しています。また、クリント・イーストウッドは監督としてだけでなく、監督を務めた外国語映画作品『硫黄島からの手紙』でも候補となり、同作が外国語映画賞を獲得しました。

また、この第64回からは、新たにアニメーション映画賞が設けられ、アニメ作品が独立したカテゴリで評価されるようになりました。これはアニメーション映画の質の向上と世界的な人気を反映した動きと言えるでしょう。

特別賞と授賞式の彩り

授賞式に先駆けて、映画界に多大な貢献をした人物に贈られるセシル・B・デミル賞は、俳優・監督として知られるウォーレン・ベイティに授与されることが発表されました。さらに、ハリウッドの著名人の子女が務めるミスター/ミス・ゴールデングローブには、俳優ジャック・ニコルソンの娘であるロレイン・ニコルソンが選ばれ、授賞式ではアシスタントとしてセレモニーをサポートしました。

当日の授賞式には、映画・テレビ界から数多くのスターが集結しました。ティム・アレン、ジョージ・クルーニー、キャメロン・ディアス、トム・ハンクス、スティーヴン・スピルバーグなど、名だたる俳優や監督たちがプレゼンターとして登壇し、各賞の発表を行いました。華やかな顔ぶれが揃った授賞式は、多くの観客を魅了しました。

主要作品賞受賞作

この回で作品賞に輝いたのは以下の作品です。

映画 - コメディ/ミュージカル部門: 『ドリームガールズ』
映画 - ドラマ部門: 『バベル』
テレビシリーズ - コメディ部門: 『アグリー・ベティ』
テレビシリーズ - ドラマ部門: 『グレイズ・アナトミー恋の解剖学』
* ミニシリーズ/テレビ映画部門: 『エリザベス1世～愛と陰謀の王宮～』

第64回ゴールデングローブ賞は、新たな部門の設置や多彩な候補作品・個人によって、映画とテレビの多様性と豊かさを改めて示すイベントとなりました。
この年のハリウッドを彩る祭典となりました。

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