第67回天皇杯全日本サッカー選手権大会

第67回天皇杯全日本サッカー選手権大会は、1987年から1988年にかけて開催された、その年度の日本サッカー界における最高の栄誉をかけた大会です。1987年12月19日に幕を開け、年が明けた1988年1月1日の決勝まで、全国各地から選出された32チームが参加し、ノックアウト方式で争われました。

本大会には、当時の国内トップディビジョンである日本サッカーリーグ（JSL）1部に所属する全12クラブ、具体的にはマツダ、古河電工、三菱重工、ヤンマーディーゼル、日本鋼管、フジタ工業クラブ、本田技研、トヨタ自動車、読売クラブ、ヤマハ発動機、日産自動車、住友金属工業が出場しました。これに加えて、北海道、東北、関東、北信越、東海、関西、中国、四国、九州の各地域予選を勝ち抜いた20チームが加わり、計32チームでの戦いとなりました。地域代表チームの中には、函館マツダ、NTT関東、東海大学、JATCO、NTT四国といった、天皇杯の舞台に初めて登場するチームも含まれていました。

大会は1回戦から白熱した試合が展開されました。多くのJSL勢が順当に勝ち進む中、地域代表チームも奮闘を見せました。1回戦では、優勝候補の一角である読売クラブが同志社大学に5対0と大勝。日産自動車はコスモ石油を3対1で退け、日立製作所がヤマハ発動機を1対0で下しました。また、関東代表の東海大学が東北代表のTDKに10対1という大差で勝利を収めるなど、地域代表チームの存在感も示されました。大阪商業大学とヤンマーディーゼルの一戦は、延長戦でも決着がつかず1対1でPK戦に入り、ヤンマーが5対4で辛くも2回戦進出を決めました。

2回戦では、1回戦を勝ち上がった16チームが激突しました。ここからはJSL勢同士の対戦も増え、より緊迫した試合が繰り広げられました。読売クラブは西濃運輸に3対0で快勝し、準々決勝へ駒を進めました。前年度優勝チームの本田技研はフジタ工業クラブと対戦し、0対0のままPK戦に突入。これを8対7で制し、ベスト8入りを果たしました。日産自動車は日立製作所を4対0と圧倒的な力で破り、古河電工も東海大学に5対0と危なげなく勝利しました。三菱重工は東芝に0対1で敗れる波乱もあり、住友金属工業はヤンマーディーゼルを3対1で下しました。マツダはトヨタ自動車に3対1で勝利。松下電器は日本鋼管とのPK戦を4対2で制し、準々決勝へ進みました。

準々決勝は特に激戦が多く、準々決勝の4試合中3試合がPK戦にもつれ込むという異例の展開となりました。読売クラブ対本田技研は1対1でPK戦となり、読売クラブが4対2で勝利。日産自動車対古河電工も1対1からPK戦に入り、古河電工が3対2で準決勝へ進みました。東芝対住友金属工業の一戦も1対1のままPK戦にもつれ込み、住友金属工業が5対3でベスト4入り。マツダ対松下電器はスコアレスの0対0でPK戦となり、マツダが4対2で勝ち上がりました。

準決勝は、読売クラブ対古河電工、そして住友金属工業対マツダという組み合わせで行われました。読売クラブと古河電工の試合は、延長戦を終えてもスコアが動かず0対0。勝負はPK戦に委ねられ、読売クラブが4対2で制し決勝進出を決めました。もう一方の準決勝では、マツダが住友金属工業を相手に2対1で勝利し、決勝の舞台へと駒を進めました。

栄えある決勝戦は、1988年1月1日に国立霞ヶ丘競技場で開催され、読売クラブとマツダが対戦しました。この頂上決戦を制したのは読売クラブでした。読売クラブはマツダに対し、2対0のスコアで勝利を収め、第67回天皇杯全日本サッカー選手権大会の優勝チームとして歴史に名を刻みました。大会全体を通して、JSL勢の強さが際立つ一方、地域代表チームも随所で健闘を見せ、新年の始まりを飾るにふさわしい熱戦が繰り広げられました。

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