第67期棋聖戦 (将棋)

第67期棋聖戦

概要

第67期棋聖戦は、1996年度（実際には1995年4月19日から1996年7月30日にかけて）に開催された将棋のタイトル戦、棋聖戦の一シリーズです。この棋戦最大の注目点は、当時、竜王、名人、王位、王座、王将、棋王という将棋界の主要六タイトルすべてを保持していた羽生善治棋聖に対し、挑戦者として登場した三浦弘行五段が挑んだことです。結果は挑戦者の三浦五段がシリーズを制し、棋聖位を獲得するという、将棋史においても大きな出来事となりました。

五番勝負

棋聖のタイトルをかけた五番勝負は、タイトル保持者の羽生善治棋聖と、挑戦者決定トーナメントを勝ち抜いた三浦弘行五段の間で行われました。この五番勝負は互いに譲らぬ熱戦となり、結果は三浦五段の3勝2敗で幕を閉じました。この勝利により、三浦五段は自身にとって将棋界で初のタイトルとなる棋聖位を獲得しました。

当時の羽生棋聖は、前述の通り将棋界の主要タイトルをほぼ独占している状態であり、その牙城に三浦五段が見事風穴を開けた形となりました。五番勝負の各対局は全て1日制で行われ、両対局者に与えられた持ち時間はそれぞれ5時間でした。シリーズの第1局と最終局となった第5局では、対局開始前に振り駒によって先手・後手が決定されました。

挑戦者決定システム

棋聖戦では、挑戦者を決定するために大規模な予選トーナメントが行われます。第67期においても、一次予選から始まり、二次予選、三次予選へと段階が進む形式が採用されました。多くの棋士が参加する一次予選、二次予選を勝ち抜いた棋士が三次予選に進出します。

三次予選は複数の組に分かれて行われ、各組の上位通過者が決勝トーナメントへの出場権を得ます。第67期三次予選では、A組、B組、C組、D組が設けられ、それぞれの組から2名ずつ、合計8名が決勝トーナメントへ進みました。この決勝トーナメントで優勝した棋士が、現行の棋聖タイトル保持者に対する挑戦者となる仕組みです。この厳しい予選システムを勝ち抜いた三浦弘行五段が、この年の挑戦者として五番勝負の舞台に上がったのです。

開催期間

第67期棋聖戦は、年度としては1996年度とされていますが、実際には1995年4月19日に開幕し、五番勝負最終局が行われた1996年7月30日に閉幕しました。約1年3ヶ月にわたる長い期間、多くの対局が繰り広げられました。

記録と関連情報

本棋戦の詳細な対局結果や予選の過程などは、日本将棋連盟の公式サイトにある棋聖戦の記録ページや、当時の将棋年鑑などに記録として残されています。これらの情報源を参照することで、個別の対局結果や棋士たちの昇級・昇段、その他の詳細な情報を確認することができます。

第67期棋聖戦は、三浦弘行棋士が初めてタイトルホルダーとなった記念すべき棋戦であり、当時の将棋界の勢力図に変化をもたらす重要なシリーズとして、今なお多くの将棋ファンに記憶されています。

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