第69回国家映画賞

第69回国家映画賞

第69回国家映画賞は、インド映画界において権威ある表彰の一つであり、特に2021年中に製作および公開された優れたインド映画作品、並びに映画関連の著作物に対して与えられました。この回から、それまで映画祭事務局が担っていた主催機能は、新たに設立されたインド国立映画開発公社（NFDC）に引き継がれ、新たな体制での開催となりました。

開催経緯

当初、第69回国家映画賞の授賞式は2022年5月3日に予定されていましたが、世界的に蔓延したCOVID-19パンデミックの影響を受け、開催は延期されました。その後、状況が落ち着いた2023年8月24日に、インド情報・放送省より受賞作品および受賞者が正式に発表されました。そして、同年10月17日には、インドの首都ニューデリーにある著名な会議場であるヴィギャン・バワンにて、盛大な授賞式が執り行われました。

選考プロセスと対象

選考に向けた作品募集は、2023年3月31日にインド国立映画開発公社によってオンラインで開始され、同年5月10日に締め切られました。選考の対象となったのは、以下の期間に中央映画認証委員会（CBFC）によって認証を受けた作品および著作物です。

対象期間: 2021年1月1日から同年12月31日まで

部門ごとに詳細な対象が定められています。

映画部門

長編映画および短編映画が対象です。ただし、吹替版、既に認証を受けた作品の改訂版や複製版は選考の対象外とされました。

書籍部門

対象期間中に発行された新聞、雑誌、ジャーナルに掲載された映画に関する記事や評論、および刊行された書籍が対象です。こちらも、翻訳版、抄訳版、編集版、注釈を付加したもの、再版本などは対象外とされました。

選考基準

映画部門においては、以下の基準を満たす作品が選考の対象となりました。

技術形式: 16ミリフィルム、35ミリフィルム、それ以上のサイズのフィルム、またはデジタル・フォーマットで撮影された作品。
公開形式: 劇場公開された作品、または家庭での観賞を目的としたOTTサービスで公開された作品。
言語: インドのいずれかの言語で製作された作品。
認証: 中央映画認証委員会によって、長編映画、ドキュメンタリー映画、ニュース映画、ノンフィクション映画として正式に認証を受けている作品。

主な受賞部門

第69回国家映画賞では、作品や貢献の性質に応じた様々な部門が設けられています。

ダーダーサーヘブ・パールケー賞: インド映画界への長年の顕著な貢献を称える最高賞です。インド映画界の著名な専門家5名からなる選考委員会によって受賞者が選ばれます。
長編映画部門:
金蓮賞（長編映画部門）
銀蓮賞（長編映画部門）
地域賞: インド各地で製作された言語映画を表彰する部門です。特に、インド憲法第8附則で定められている公用語で製作された地域映画が対象となります。指定されていない言語で製作された映画はこの賞の対象外です。
非長編映画部門:
金蓮賞（非長編映画部門）
銀蓮賞（非長編映画部門）
映画批評部門:
金蓮賞（映画批評部門）
特別賞（映画批評部門）

これらの部門を通じて、第69回国家映画賞は、2021年のインド映画とその関連文化における多岐にわたる優れた成果を広く表彰しました。

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