第7回帝国議会

第7回帝国議会：戦時下の決断

第7回帝国議会は、1894年（明治27年）10月18日に広島で開会された臨時議会です。日清戦争の勃発により、日本の政治・社会情勢が大きく変動する中で開催されました。通常、帝国議会は東京で開催されますが、この時は例外的に広島市の広島臨時仮議事堂が舞台となりました。

開催の背景

日清戦争の開戦に伴い、日本は大本営を広島城内に設置し、明治天皇も広島に行幸しました。広島が選ばれたのは、宇品港が中国大陸への兵站拠点として重要な役割を果たしていたためです。天皇の滞在が長期にわたる見込みとなったため、議会も広島で開催されることになりました。

議会の概要

第7回帝国議会の会期はわずか1週間という短いものでしたが、その重要性は計り知れません。主な議題は、臨時軍事費予算案（1億5000万円余）と戦争関連法案の審議でした。当時の金額で1億5000万円余という莫大な予算は、日清戦争遂行のために不可欠であり、議会はこれを全会一致で可決しました。この迅速な決断は、日本の戦時体制を支える上で大きな意味を持ちました。

挙国一致体制へ

帝国議会開設以来、明治政府と衆議院は激しく対立していましたが、日清戦争を機に、政局は一転して挙国一致体制へと向かいました。国難を前に、政府と議会が協力し、一致団結して戦争遂行にあたる姿勢が明確になりました。

広島臨時仮議事堂

議会のために急遽建設された広島臨時仮議事堂は、日本の憲政史上、特別な意味を持つ場所となりました。現在、その建物は残っていませんが、広島の地に国会が存在したという事実は、歴史に深く刻まれています。

まとめ

第7回帝国議会は、日清戦争という非常時において、日本の進むべき道を示した重要な出来事でした。東京以外で開催された唯一の国会として、その歴史的意義は色褪せることはありません。戦時下の決断が、その後の日本の運命を大きく左右したと言えるでしょう。

参考文献

• - 原田敬一『日清・日露戦争　シリーズ日本近現代史3』岩波新書、2007年2月。
• - 広島県庁『広島臨戦地日誌』志熊直人、1899年。

もう一度検索