第7歩兵師団 (韓国陸軍)

大韓民国陸軍 第7歩兵師団

大韓民国陸軍の第7歩兵師団は、朝鮮戦争において数々の激戦を経験した精鋭部隊です。1949年1月、龍山で第7旅団として創設され、その後首都旅団、首都師団と改称を経て、同年6月、第7師団に定着しました。

朝鮮戦争における活躍

朝鮮戦争勃発時、第7師団はソウル北方の議政府方面を守備していました。この地には、北朝鮮人民軍の3個師団と戦車旅団が集中投入され、激戦が繰り広げられました。第7師団は、劣勢な状況の中、ソウル陥落後も漢江防衛線で奮戦し、人民軍の南下を阻止しようとしました。

漢江防禦線が崩壊した後も、残存兵力を集結し、新たな部隊を編成。湖南地方での遅滞作戦や釜山周辺の戦闘に参加するなど、朝鮮戦争を通して重要な役割を果たしました。仁川上陸作戦後の北進にも参加し、平壌占領に貢献した部隊でもあります。

その後も、中国人民志願軍の介入による激化する戦闘の中で、飛虎山（622高地）の戦い、クリスマス攻勢、5月攻勢、そして白石山（1142高地）の戦いなど、数々の苦戦を経験しました。アメリカ軍第10軍団に編入され、アメリカ軍部隊と協同作戦を行うなど、国際的な連携も積極的に行っていました。

クリスマス高地（1090高地）の戦いは、第7師団の勇猛さを象徴する戦闘の一つです。第3連隊は中国軍と激しい攻防戦を展開し、最終的に高地を死守しました。この戦闘は、師団の戦闘能力の高さと士気の強さを示すものでした。

休戦協定成立後も、第7師団は部隊の整備と教育訓練を行い、常に戦闘態勢を維持していました。朝鮮戦争における第7師団の功績は、韓国の防衛に大きく貢献したものと言えるでしょう。

編成

現在の第7歩兵師団の編成は以下の通りです。

第3歩兵連隊
第5歩兵連隊
第8歩兵連隊
砲兵連隊
第7歩兵師団直轄部隊（本部、軍楽隊、軍警察大隊、情報通信大隊、整備大隊、捜索隊、工兵隊、機務隊、戦車大隊、防空中隊、化学兵器支援隊、補給輸送大隊、補充中隊など）

これらの部隊は、高度な訓練を受けた精鋭兵士で構成され、現代的な兵器と装備を備えています。第7師団は、韓国の防衛において不可欠な役割を担い続けています。

参考文献

韓国国防軍史研究所 編著 著、翻訳・編集委員会 訳『韓国戦争 第1巻 人民軍の南侵と国連軍の遅滞作戦』かや書房、2000年
韓国国防軍史研究所 編著 著、翻訳・編集委員会 訳『韓国戦争 第2巻 洛東江防御線と国連軍の反攻』かや書房、2001年
韓国国防軍史研究所 編著 著、翻訳・編集委員会 訳『韓国戦争 第3巻 中共軍の介入と国連軍の後退』かや書房、2002年
韓国国防軍史研究所 編著 著、翻訳・編集委員会 訳『韓国戦争 第4巻 国連軍の再反攻と中共軍の春期攻勢』かや書房、2004年
韓国国防軍史研究所 編著 著、翻訳・編集委員会 訳『韓国戦争 第5巻 休戦会談の開催と陣地線への移行』かや書房、2007年
韓国国防軍史研究所 編著 著、翻訳・編集委員会 訳『韓国戦争 第6巻 休戦』かや書房、2010年
佐々木春隆『朝鮮戦争/韓国篇 上巻 建軍と戦争の勃発前まで』原書房、1976年
* “韓國戰爭要約” (PDF). 韓国国防部軍史編纂研究所。2020年10月2日閲覧。

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