権威ある映画賞の一つとして知られる
ニューヨーク映画批評家協会賞の第72回授賞結果が、
2006年12月11日に発表されました。この賞は、その年に公開された優れた映画作品、および映画人の功績を称えるものです。多様なジャンルとテーマを持つ作品が評価され、その後の映画賞レースの行方にも影響を与える結果となりました。
主要部門の受賞
最高賞である
作品賞には、アメリカ同時多発テロ事件におけるユナイテッド航空93便内で起きた出来事を描いたポール・グリーングラス監督の
『ユナイテッド93』が選ばれました。緊迫感あふれる演出とリアリティが評価された形です。
監督賞は、ボストンを舞台にしたクライムサスペンス
『ディパーテッド』を手がけた
マーティン・スコセッシが受賞しました。スコセッシ監督の長年のキャリアにおける功績と、本作での巧みなストーリーテリングが高く評価されました。
主演男優賞は、ウガンダの独裁者イディ・アミンを演じた
フォレスト・ウィテカーが、
『ラストキング・オブ・スコットランド』での圧倒的な演技により受賞しました。一方、
主演女優賞は、エリザベス2世を演じきった
ヘレン・ミレンが、
『クィーン』での深い表現力に対して贈られました。
その他の注目の受賞者・作品
俳優部門では、
助演男優賞に
ジャッキー・アール・ヘイリーが
『リトル・チルドレン』での演技で、
助演女優賞にはミュージカル映画
『ドリームガールズ』に出演した
ジェニファー・ハドソンが選ばれました。
脚本部門では、
ヘレン・ミレンに主演女優賞をもたらした
『クィーン』の脚本を手がけた
ピーター・モーガンが
脚本賞を受賞しました。撮影部門では、幻想的な世界観で観客を魅了した
『パンズ・ラビリンス』の
ギレルモ・ナヴァロが
撮影賞に輝いています。
アニメーション分野では、ペンギンたちの歌とダンスを描いた
『ハッピー フィート』が
アニメ映画賞を受賞。ドキュメンタリー部門では、
『フロム・イーブル』が
ドキュメンタリー映画賞に選出されました。
外国語映画賞は、
フランスと
イタリアの合作である
『影の軍隊』が受賞。そして、新人監督や第一作目が対象となる
第一回作品賞は、ライアン・フレック監督の
『ハーフネルソン』に贈られました。
第72回
ニューヨーク映画批評家協会賞は、このように多岐にわたる作品と個人を表彰し、
2006年の映画界における重要な出来事として記憶されています。