ハッピー フィート

ハッピー フィート：南極を舞台にしたタップダンスの物語

2006年公開の『ハッピー フィート』（原題：Happy Feet）は、オーストラリアとアメリカ合衆国合作のフルCGアニメーション映画です。アカデミー賞長編アニメ映画賞を受賞するなど、高い評価を受け、世界的な大ヒットを記録しました。

ストーリー：歌とダンスで運命を切り開く

舞台は南極。歌で求愛するコウテイペンギンの世界で、主人公マンブルは生まれつき音痴という、ペンギン社会では致命的とも言える欠点を持っていました。しかし、彼は歌の代わりに、類まれなタップダンスの才能を持っていました。

マンブルは、卒業式での出来事をきっかけに故郷のエンペラー帝国を離れ、旅に出ます。そこで出会ったのは、アミーゴスと呼ばれるアデリーペンギンの5人組。彼らの助けを得ながら、マンブルは故郷を取り巻く謎や、自身の運命と向き合っていきます。

旅の途中で遭遇する謎の「エイリアン」の存在、そして彼らが引き起こす環境問題。マンブルは、タップダンスという独自の表現方法を通して、ペンギン社会だけでなく、エイリアンとのコミュニケーションにも挑戦します。最後は、マンブルの勇気ある行動が、故郷の危機を救い、人々（ペンギン）の絆を深めることになるのです。

見どころ：個性豊かなキャラクターと音楽

本作の魅力は、個性豊かなキャラクターたちです。主人公マンブルをはじめ、彼の両親であるメンフィスとノーマ・ジーン、厳格な長老ノア、そしてマンブルを支えるアミーゴスなど、それぞれに魅力的な個性と背景が描かれています。

さらに、往年の名曲の数々がペンギンの歌として使用されている点も大きな特徴です。そして、プリンスが書き下ろした主題歌「Song of the Heart」は、ゴールデングローブ賞主題歌賞を受賞するなど、高い評価を得ています。

主な登場人物

マンブル: 音痴だが、タップダンスが得意なコウテイペンギン。主人公。イライジャ・ウッド（日本語吹替：手越祐也）が声を担当。
グローリア: 美しい歌声を持つコウテイペンギン。マンブルの恋の相手。ブリタニー・マーフィ（日本語吹替：園崎未恵）が声を担当。
メンフィス: マンブルの父親。エルヴィス・プレスリーをモデルにしている。ヒュー・ジャックマン（日本語吹替：てらそままさき）が声を担当。
ノーマ・ジーン: マンブルの母親。マリリン・モンローをモデルにしている。ニコール・キッドマン（日本語吹替：冬馬由美）が声を担当。
ノア: エンペラー帝国の長老。ヒューゴ・ウィービング（日本語吹替：水野龍司）が声を担当。
アミーゴス: ラテン系の陽気なアデリーペンギンの5人組。ロビン・ウィリアムズ（日本語吹替：ブラザートム）ら豪華声優陣が声を担当。
* ラブレイス: イワトビペンギン。謎めいた教祖。ロビン・ウィリアムズ（日本語吹替：ブラザートム）が声を担当。

制作の裏側

監督はジョージ・ミラー。当初は実写を検討していたものの、ペンギンのダンス指導の困難さからフルCGでの制作に変更されました。ダンスシーンは、モーションキャプチャ技術と、タップダンスの名手セビアン・グローバーの演技を組み合わせることで実現しています。プリンスは、当初は映画への楽曲提供を拒否していましたが、完成した映像に感動し、主題歌を提供すると共に、劇中使用曲の歌詞変更を快諾したというエピソードも有名です。

受賞歴

『ハッピー フィート』は、アカデミー賞長編アニメ映画賞、ゴールデングローブ賞主題歌賞、英国アカデミー賞長編アニメ映画賞など、数々の賞を受賞しました。興行収入も大成功を収め、世界中で愛される作品となりました。

まとめ

『ハッピー フィート』は、音楽とダンス、そして環境問題というテーマを織り交ぜた、感動的な物語です。魅力的なキャラクター、美しい映像、そして素晴らしい音楽が、観る者を南極の世界へと誘います。CGアニメーション映画の傑作として、多くの人々に長く愛され続ける作品と言えるでしょう。

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