第76回選抜高等学校野球大会

第76回選抜高等学校野球大会について

第76回選抜高等学校野球大会は、2004年の3月23日から4月4日まで、阪神甲子園球場で開催された重要な高校野球の大会です。この大会は、さまざまな変更が行われ、特に選抜大会の運営面において新たな試みが見られました。

大会の概要と変更点

この大会では一般枠が28に減少し、東海地方は3から2に、中国・四国地方は6から5に変更されました。また、希望枠の選考方法も見直され、より詳細な比較項目が追加されました。これにより、選考の公平性が高まりました。具体的には、被塁打数、与残塁および失点、失点に対する被塁打数など、計4つの項目がポイント制に位置づけられました。対象となる試合数も、明治神宮大会を除く直近の5試合から4試合に変更されています。

さらに、今大会から甲子園球場における球速表示が始まり、観客は試合にさらに興奮することが可能になりました。

特筆すべき成果

東海大山形が山形県から初めて準々決勝に進出したことは大きな話題となりました。これにより、全47都道府県の代表が、春夏いずれかの大会でベスト8以上に進出したという記録が達成されました。

また、この大会から選手登録数が18人になり、選抜大会でも同様に適用されたことが特徴的です。準々決勝の開催方法も見直され、1日あたりの試合数が4試合から2試合ずつ2日間に分割されるようになりました。ただし、雨による順延が2日以上続いた場合には、従来通りの1日4試合体制に戻る可能性があります。

決勝戦とその後

4月4日の決勝戦は天候の影響を受け、試合開始が大幅に遅れ、結局午後4時44分に始まりました。この試合は高校野球全国大会史上初のナイター試合となり、特に注目されました。

優勝したのは済美高校で、監督の上甲正典氏が1988年に宇和島東を指導して以来、2度目の初出場・初優勝を達成しました。

試合のエピソード

大会期間中の記憶に残るシーンの一つに、八幡商と常葉菊川の試合があります。1回戦で八幡商がリードを奪い、常葉菊川が逆転しましたが、八幡商は最後の回で同点に追いつき、さらにはサヨナラ勝ちを収めました。しかし、試合終了後に1塁走者が2塁ベースを踏み忘れていたことが発覚。もし相手チームが事に気づいていたら、八幡商は敗れていた可能性がありました。常葉菊川の監督は、そのミスについて悔やみの言葉を残しています。

この大会は、選手たちにとってだけでなく多くの高校野球ファンにとっても記憶に残る大会となりました。

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