第78回ヴェネツィア国際映画祭

第78回ヴェネツィア国際映画祭の概要

2021年9月1日から11日まで開催された第78回ヴェネツィア国際映画祭は、映画愛好者や業界関係者にとって大きなイベントとなりました。新型コロナウイルスの影響を受け、会場の収容人数は制限され、参加者はワクチン接種証明書や陰性証明書の提示が求められました。これは安全対策の一環であり、参加者が安心して映画を楽しむための措置でした。特に、イタリアの保健省はアメリカ、カナダ、日本、イスラエル、イギリスのワクチン証明書を認めることを事前に発表しました。

日本の作品の出品

日本からは、オリゾンティ部門に湯浅政明監督のアニメ『犬王』、短編コンペティションには山下つぼみ監督の『かの山』、さらにVR部門ではWOWOWとCinemaLeapが共同製作した『Clap』が出品されました。これらの作品も日本映画界の新たな挑戦を示す一端となりました。

ラインナップの発表

公式選出が行われたのは2021年7月26日で、注目のラインナップが発表されました。コンペティション部門には多くの作品が選出され、さらに非コンペティション部門でも多彩な作品が上映されることになりました。

コンペティション部門と非コンペティション部門

コンペティション部門では、特に注目されたのが、金獅子賞を受賞したオードレイ・ディヴァン監督の『あのこと』や、審査員大賞を受賞したパオロ・ソレンティーノ監督の『Hand of God -神の手が触れた日-』でした。　

非コンペティション部門にはフィクション、ノンフィクション、シリーズ、短編作品が含まれており、多様なジャンルの作品が展示されました。また、オリゾンティ部門では、作品や監督に焦点を当てた上映や特別な内容が提供され、多様性と独創性に富んだ映画祭となりました。

審査員の構成

メインコンペティションの審査員長を務めたのは、韓国の映画監督であるポン・ジュノ。同じく審査員には、イタリアのサヴェリオ・コスタンツォや、ベルギー・フランスの女優ヴィルジニー・エフィラなど、各国からの著名なフィルムメーカーが参画しました。オリゾンティ部門の審査員長にはボスニア・ヘルツェゴビナのヤスミラ・ジュバニッチが選ばれ、他の審査員たちと共に優れた作品を選定しました。

受賞結果

映画祭のフィナーレでは多くの受賞が発表されました。金獅子賞は『あのこと』が、また審査員大賞は『Hand of God -神の手が触れた日-』が受賞しました。その他にも、銀獅子賞はジェーン・カンピオンの『パワー・オブ・ザ・ドッグ』が受賞し、ヴォルピ杯では男優賞がジョン・アルシラ、女優賞がペネロペ・クルスに授与されました。オリゾンティ部門でも作品賞や監督賞など、多くの賞が授与され、映画界の新星たちが光を放ちました。

総括

第78回ヴェネツィア国際映画祭は多様な作品が集まり、国際的な映画文化を交わす場となりました。新型コロナウイルスの影響を受けつつも、映画の力を示した素晴らしい時間が過ごせたのではないでしょうか。特に日本からの出品や受賞は、日本映画界の新たな可能性を感じさせるものでした。今後の映画祭でもこの勢いを続けられることを期待します。

もう一度検索