第8回統一地方選挙

第8回統一地方選挙

第8回統一地方選挙は、1975年（昭和50年）に日本全国で実施された、地方公共団体の首長やその議会議員を選び直すための広範な選挙でした。これは、多くの地方自治体で任期満了の時期が重なる職種を一斉に改選することで、選挙事務の効率化や地方政治への関心を高めることを目的として行われる統一地方選挙の一環です。

今回の選挙は、改選される職種によって投票日が二回に分けられました。前半の投票日は1975年4月13日、後半の投票日は同年4月27日でした。

選挙の対象と日程

前半戦の投票日である4月13日には、都道府県知事選挙、政令指定都市の市長選挙、都道府県議会議員選挙、政令指定都市の市議会議員選挙が実施されました。これらの選挙に関する告示は、投票日に先立つ3月から4月上旬にかけて順次行われました。この回では、前年の1974年に政令指定都市へ移行した札幌市、川崎市、福岡市が新たに統一地方選挙の対象に含まれ、特に札幌市と川崎市では市長選挙も行われた点が特徴として挙げられます。

後半戦の投票日である4月27日には、一般市の市長選挙、東京都の特別区長選挙、一般市の市議会議員選挙、東京都特別区議会議員選挙、そして町村の首長選挙と議会議員選挙が行われました。これらの選挙は、4月中旬に告示されました。このうち東京都の特別区長選挙は、1951年以来実に24年ぶりに公選制が復活したことで、広く注目を集めました。また、後半戦の投票日には、参議院議員の補欠選挙が茨城県と愛知県で同時に実施されました。

この統一地方選挙では、全国17の都道府県で知事選が、3つの政令指定都市で市長選が実施された他、44道府県で都道府県議会議員、8つの政令指定都市で市議会議員が改選されました。さらに、多数の一般市や町村で首長および議会議員の選挙が行われ、加えて東京都の23特別区でも区長と区議会議員が改選の対象となりました。

候補者数と投票率

この選挙には、各職種を合わせて多数の候補者が立候補しました。具体的には、都道府県知事選挙には66名、政令指定都市の市長選挙には9名が名乗りを上げました。都道府県議会議員選挙には4,682名が立候補し、うち123名が女性候補者でした。

選挙結果に関わる投票率は、前半戦の都道府県知事選挙で71.92％、道府県議会議員選挙で74.13％でした。後半戦の市区町村の首長選挙全体では72.60％、市区町村議会議員選挙全体では75.39％でした。

第8回統一地方選挙は、高度経済成長期から安定成長期への移行期に行われ、全国の地方政治の動向や住民の関心を示す重要な機会となりました。新しい政令指定都市の選挙実施や、東京都特別区長の公選制復活など、地方自治のあり方が変化する一端を示す選挙でもありました。

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