第82回都市対抗野球大会

第82回都市対抗野球大会の概要と特異点

開催情報

第82回都市対抗野球大会は、2011年10月22日から11月1日まで京セラドーム大阪で行われた。例年は東京ドームで開催されるが、2011年は東日本大震災の影響により、秋冬の開催が決定された。この大会が東京・関東地域以外で行われるのは史上初であり、特に注目された。

開催変更の背景

大会は当初、例年通り8月26日から12日間のスケジュールで東京ドームでの開催が予定されていた。しかし、2011年3月11日の東日本大震災や福島第一原発事故により、電力の需要が急増することが見込まれていたため、早々に秋の開催及び関東・東北以外での実施が発表された。最終的に、5月19日の日本野球連盟の臨時理事会で、10月22日から11日間の京セラドーム大阪での開催が決定した。

日程と形式

本大会は例年より日程が1日短縮されており、準々決勝での試合数は1日4試合と、これまでの形式が見直された。また、従来は夏に行われていた社会人野球日本選手権大会が中止となり、優勝チームは日本選手権優勝チームとして認定されることが決定された。このように、都市対抗野球大会は、特に今年度は過去の制度を改定し、明らかに変化した一面があった。

出場チームと予選

前年の優勝チームの推薦出場制度が復活し、各地から選抜されたチームが参加した。震災の影響で東北のクラブチームは一部辞退したが、企業チームは予選に参加。強豪チームは順調に進み、しかし第37回社会人野球日本選手権を制したトヨタ自動車は意外にも早い段階で敗退した。また、JR北海道は不祥事により予選途中で辞退する事態が発生し、室蘭シテイ・室蘭シャークスが北海道勢として10年ぶりに本戦出場を果たした。

特殊な対戦ルール

大会からJR各社については、JR東日本とJR東日本東北を除き、同一企業として扱わずに対戦が可能となった。これにより、1回戦からさまざまなJRチームが対戦を行うこととなり、他のJRチームとの対戦も見られるようになった。

大会の進行

本戦では全31試合中、ホームランはわずか7本という極端な投手主導の結果に終わった。特に印象的だったのは、1回戦でJR東日本東北の投手が54年ぶりに完全試合を達成したことである。打撃部門には該当者が現れなかったため、大会全体としては守備や投手力重視のチームが勝ち上がった。また、決勝戦は東京の2チームによる対戦で、延長戦の末、JR東日本が初優勝を果たした。

試合結果

決勝戦は延長11回に突入し、JR東日本が勝利した。特に、松本晃選手は同点ホームランを放ち、その後のサヨナラタイムリーヒットにより、殊勲の表彰を受けた。このように、初の大阪開催はさまざまなドラマを生み出し、都市対抗野球大会の歴史に刻まれることとなった。

最後に

このように、第82回都市対抗野球大会は、特異な状況での開催や新しいルールの導入、そして記録に残る瞬間を数多く生み出した大会であり、参加した選手たちにとっても特別な経験となった。

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