第84回アカデミー賞

第84回アカデミー賞の概要

第84回アカデミー賞は、2011年に公開された映画を対象としており、授賞式は2012年2月26日に行われました。この年の授賞式は、ビリー・クリスタルが司会を務めることとなり、観客や視聴者の期待が高まりました。

司会者の変更

映画芸術科学アカデミー（AMPAS）は、2011年9月にエディ・マーフィが司会を務めると発表しました。しかし、プロデューサーのブレット・ラトナーが降板したため、アカデミーはビリー・クリスタルを再び司会者に選びました。クリスタルは過去に何度もアカデミー賞の司会を務めており、その実績が高く評価されました。

ノミネートの発表

第84回のノミネートは2012年1月24日にサミュエル・ゴールドウィン・シアターで発表され、アカデミー会長のトム・シェラックと女優のジェニファー・ローレンスがその役割を担いました。この授賞式では、数多くの名作がノミネートされる中で、期待の高い作品がその栄誉に値するかどうかが問われました。

受賞とノミネート作品

いくつかの作品が特に評価され、受賞が認められました。特別賞としてアカデミー名誉賞が贈られる中、受賞者にはジェームズ・アール・ジョーンズ、ディック・スミス、オプラ・ウィンフリーが名を連ねました。

複数ノミネート作品の中では、『ヒューゴの不思議な発明』と『アーティスト』がそれぞれ11と10のノミネートを獲得しました。特に『ヒューゴの不思議な発明』と『アーティスト』は、最も多くの受賞を果たし、観客の注目を集めました。

トリビュートとパフォーマンス

授賞式では、ビリー・クリスタルが進行役を務める中、ジャズ歌手のエスペランサ・スポルディングがルイ・アームストロングの「この素晴らしき世界」を披露し、追悼映像が流れました。このトリビュートでは、映画業界で活躍した多くの人々への敬意が表されました。

新たな規則変更

授賞式を前に、アカデミーは映画賞に関する新たな規則を発表しました。作品賞では、最終的な候補作が5本から10本に増え、長編アニメ映画賞と長編ドキュメンタリー映画賞の規則も大幅に見直されました。これにより、今後のノミネートがより透明性を持って行われることを目指しました。

投票傾向と記録

今大会では、1億ドル以上の興行収入を上げた作品が1本のみでした。特に『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』が最大の興行収入を記録しました。また、助演男優賞を受賞したクリストファー・プラマーは82歳であり、演技部門として史上最高齢の受賞者となり、そのことが注目されました。メリル・ストリープは17回目のノミネートを果たし、同時に受賞も手にしたことでその存在感を示しました。

さらに、『別離』が外国語映画賞を受賞したことで、イラン映画がこの賞を獲得するのは初めての快挙として称えられました。パキスタン人として初のアカデミー賞受賞者となったシャーミーン・オベイド＝チノイの功績も、他の受賞と同様に賞賛されました。今回のアカデミー賞は、映画界におけるいくつかの重要な記録を打ち立て、観客にとっても記憶に残る一夜となりました。

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