第84回天皇賞

第84回天皇賞（秋）概要

1981年10月25日に東京競馬場で開催された第84回天皇賞（秋）は、中央競馬改革の渦中で行われた重要なレースでした。この年、初の国際競走であるジャパンカップの創設が決定し、その影響で天皇賞の開催日は従来よりも1ヶ月前倒しされました。春の天皇賞では、カツラノハイセイコとカツアールの対決が繰り広げられ、天皇賞・秋に向けての盛り上がりが期待されました。

レースの背景と状況

1981年は天皇賞・春において、カツラノハイセイコが優勝したものの、彼はその後故障に見舞われ引退。その影響で、カツアールやメジロファントムを含む有力馬たちは次々と勝ち上がり、注目の対戦が待たれていました。また、前哨戦の結果により、注目の競走馬が単勝オッズで低評価とされ、ファンの期待も高まっていました。

出走馬と天候

天候は晴れ、芝コースは良馬場でコンディションが整いました。出走馬は、モンテプリンス、ホウヨウボーイ、カツアール、メジロファントムなど、豪華な顔ぶれが揃いました。レースの予想ではキタノリキオーが先頭を切ると考えられていましたが、実際にはモンテプリンスがスタートから先頭を奪取しました。

レース展開

レースは序盤からモンテプリンスがリード。ホウヨウボーイがその後を追い、ハセシノブやピュアーシンボリが続きました。1周目を回る中で、大きな変化はなく、先頭集団は安定したままでしたが、中団グループにはメジロファントムが位置を上げていました。レースが進むにつれ、徐々に戦況が変わり始め、3〜4コーナー中間でハセシノブがリードを奪取。その後、カツアールやメジロファントムが次々と前に迫ります。

直線での激闘

直線に入ってから、モンテプリンスが再びペースを上げましたが、ホウヨウボーイが内側から追い上げ。両者は残り200mを切ったところで真っ向勝負を繰り広げます。ホウヨウボーイの鞍上・加藤は最後の力を振り絞り、モンテプリンスを次第に追い込んでいきました。残り100mで勝負が決まる中、ホウヨウボーイがハナ差で勝利。記録も3分18秒9というレコードタイムをマークし、歴史に名を刻みました。

レース後の影響

レース終了後、ホウヨウボーイとモンテプリンスは共にジャパンカップへの出走を表明しました。ファンからの期待も高まり、二頭の対決は競馬界に新たな話題をもたらしました。また、ホウヨウボーイが1981年の年度代表馬に選ばれる要因の一つとされたのは、このレースでのパフォーマンスでした。

関連情報

この年の11月22日に行われる第1回ジャパンカップも、ファンの期待を集めるイベントとなりました。競馬界の新しい時代を示すこの年の天皇賞・秋は、多くの記憶と感動をもたらしました。

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