第84戦闘飛行隊 (アメリカ海軍)

第84戦闘飛行隊（VF-84）

第84戦闘飛行隊、通称ジョリーロジャースは、アメリカ海軍の伝説的な戦闘飛行隊です。この飛行隊は、1955年7月1日にオシアナ海軍航空基地でFJ-3を装備した部隊として設立されました。当初、VF-84は「Vagabonds（放浪者）」という名前で知られていましたが、1959年にはVF-61の解隊に伴い、スカル＆クロスボーンのシンボルとともに「ジョリーロジャース」の名を引き継ぎました。この特徴的なマーキングは、多くの人々に親しまれ、部隊のアイデンティティとなっています。

最初の機種はF-8クルセイダーであり、1964年にF-4ファントムに更新されました。VF-84はベトナム戦争に参加し、空母「インディペンデンス」から作戦行動を展開しました。1976年にはF-14トムキャットに機種変更し、その後、空母「ニミッツ」に配属されることとなります。1980年に「ニミッツ」が映画『ファイナル・カウントダウン』に登場したことで、VF-84はさらに著名な存在となります。

1981年以降、VF-84はTARPS（ Tactical Air reconnaissance Pod System）を使用した偵察任務も開始しました。この業務により、部隊はただの戦闘機とは異なる役割も担うようになり、より多様な任務を遂行することができました。1988年には、母艦が大西洋艦隊から太平洋艦隊へ転属することに伴い、VF-84は「セオドア・ルーズベルト」に移籍しました。

1991年の湾岸戦争では、VF-84がペルシャ湾での戦闘空中哨戒や攻撃隊の護衛任務を行い、戦闘任務において重要な役割を果たしました。しかし、冷戦終結後の海軍部隊の削減計画により、VF-84は1995年10月1日に解隊されることとなりました。解隊時には、TARPS非装備の飛行隊が対象とされ、当時の大西洋艦隊航空団司令の影響でVF-84が選ばれたという経緯があります。解隊後、ジョリーロジャースの名とスカル＆クロスボーンのマークはVF-103に引き継がれました。

登場作品

第84戦闘飛行隊は、数々の映画や作品にも登場しています。特に映画『エグゼクティブ・デシジョン』（1996年）では、テロリストによってハイジャックされたジャンボジェット機を迎撃するアメリカ海軍のF-14部隊として描かれ、当時のVF-84飛行隊長が隊長機に搭乗しているシーンがあることでも注目されています。また、映画『ファイナル・カウントダウン』では、第二次世界大戦へタイムスリップしたニミッツ級航空母艦に配属された部隊として本来の姿をそのまま表現しています。他にも、アニメ「マクロスシリーズ」に登場する架空の飛行隊であるスカル隊や、マンガ「エリア88」に登場するF-14の塗装がVF-84を模しているなど、その影響は様々なメディアに広がっています。

このように、VF-84は海軍の歴史の中で特別な役割を果たすと同時に、多くの人々の目に触れる存在でもありました。その功績や魅力は、今なお多くのファンに語り継がれています。

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