戦闘空中哨戒

戦闘空中哨戒（Combat Air Patrol, CAP）

戦闘空中哨戒（CAP）は、航空作戦における重要な戦術の一つで、特に防空任務に従事する戦闘機が用いられます。この作戦は、敵の航空機からの脅威に対し、迅速かつ効果的に対処することを目的としており、航空作戦の中で不可欠な役割を果たします。

概要

CAPは、特定の空域に予め戦闘機を展開し、敵航空機の接近を早期に察知し、その排除を目指します。この作戦の特徴は、航空機が空中で待機しながら、周囲のレーダー情報や他の早期警戒装置からのデータを元に、敵機の動向を監視する点にあります。現代のCAPは、地上の指揮統制システムや早期警戒網と連携して行われ、戦闘機が円滑に任務を遂行できるよう設計されています。

また、基地からスタートする場合と比較して、CAPだと迅速に敵機に対応できるため、戦闘機の効率的な運用が可能となります。しかし、長時間の空中待機は燃料を消費するため、空中給油機を用いることで、戦闘機の滞空時間を延長し、より持続的な任務遂行ができるよう工夫されています。

歴史と背景

CAPは主に空母機動部隊の防御任務から発展してきました。航空母艦は、航空基地としての役割を担いつつも、敵の航空攻撃に対しては脆弱なため、敵機を早期に撃破し、空母を防衛する必要がありました。当初、CAPは空母の直上で行われていましたが、テクノロジーの進化に伴い、敵機に近い前方での待機が可能となりました。

CAPの種類

戦闘空中哨戒にはいくつかの種類があり、それぞれ異なる目的に応じて展開されます。以下に代表的なCAPの種類を紹介します。

1. バリアー戦闘空中哨戒（BARCAP）：敵機の襲撃を防ぐため、事前に設定したライン上に戦闘機を配置し攻撃の試みを阻止します。
2. キャップ/ストライク（CAP/Strike）：敵機を撃退するためのCAP任務を行いつつ、敵地を攻撃するための爆弾を搭載した戦闘機による作戦です。
3. FORCAP（Force Combat Air Patrol）：友軍部隊の上空で行われるCAP任務で、友軍を守る敵対行動に対応します。
4. 高価値資産戦闘空中哨戒（HAVCAP）：早期警戒機など重要な資産を守るための任務を指します。
5. MiGCAP：ベトナム戦争中のアメリカ軍が用いた概念で、MiG戦闘機に対する防空任務です。
6. RESCAP（Rescue Combat Air Patrol）：戦闘救助活動を支援するためのCAPです。
7. 目標戦闘空中哨戒（TARCAP）：爆撃部隊の安全を確保するため、攻撃目標の近くでCAP行動を展開します。

まとめ

戦闘空中哨戒は、現代戦闘において頑強な防空能力を維持するために欠かせない戦術であり、空中でのリアルタイムな情報処理や連携がその成功に寄与しています。また、この戦術は航空戦の進化とともに変化し続けており、今後もその役割を重要視されることでしょう。

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