第9回社会人野球日本選手権大会

第9回社会人野球日本選手権大会

第9回社会人野球日本選手権大会は、1982年（昭和57年）10月24日から同月31日までの期間、大阪球場を舞台に開催されました。

大会概要

この年の社会人野球シーンは、同年夏の都市対抗野球で初優勝を飾った住友金属が勢いに乗り、本大会でも優勝候補の筆頭と目されていました。しかし、住友金属は準々決勝でまさかの敗退を喫し、優勝戦線から姿を消しました。一方で、同年都市対抗野球に初出場を果たした明治生命とヤマハ発動機は、揃って本大会にも駒を進めました。

今大会最大の注目となったのは、創設からわずか2年目にして、初出場ながら驚異的な快進撃を見せたヤマハ発動機です。チームの中心にはベテラン投手・鈴木政明が据えられ、その安定した投球を軸に、多くの接戦をものにして勝ち上がりました。決勝戦では日本通運と対戦。投手戦となり、ロースコアで推移した緊迫の試合を制したヤマハ発動機が、見事、初出場での初優勝という快挙を成し遂げました。

この優勝の栄誉により、ヤマハ発動機は台湾遠征を行う日本代表チームに選出されました。しかし、残念ながらチームは翌年の大会を前に活動休止を発表し、再びこの選手権の舞台に戻ってくることはありませんでした。

また、本大会は第1回大会以来9回目の開催にして、初めて天候による順延が一度もなく、全日程が当初の予定通りに消化されたことも、歴史的な出来事として記録されています。

決勝戦結果

決勝（10月31日）
ヤマハ発動機 vs 日本通運
勝：山本賀（ヤマハ発動機）
敗：玉田（日本通運）
（ヤマハ発動機は初優勝）

表彰選手

今大会で特に活躍が顕著だった選手には、以下の各賞が贈られました。

最高殊勲選手賞
鈴木政明（投手：ヤマハ発動機）
敢闘賞
加藤正次（投手：日本通運）
打撃賞
辻発彦（内野手：日本通運）

また、大会を通じて特に優秀な成績を収めた選手が「大会優秀選手」として選出されました。

投手
鈴木政明（ヤマハ発動機）
加藤正次（日本通運）
市村則紀（電電関東）
石井毅（住友金属）
萩原孝治（新日本製鐵堺）
小磯健次（日本楽器）
北口勝久（松下電器）
捕手
山本常義（ヤマハ発動機）
八木孝治（日本通運）
村上忠則（日産自動車）
一塁手
牛島浩彰（日本通運）
長井秀夫（電電関東）
二塁手
山本秀樹（ヤマハ発動機）
金丸昭彦（日本通運）
野尻正博（松下電器）
三塁手
辻発彦（日本通運）
大野敏彦（日本楽器）
上野貴士（ヤマハ発動機）
遊撃手
浦東靖（新日本製鐵堺）
田中祐司（住友金属）
外野手
岡田吉富（日本通運）
熊野輝光（日本楽器）
鶴岡昌宏（日産自動車）
三好一幸（住友金属）
* 野口恭弘（ヤマハ発動機）

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