第9回統一地方選挙

第9回統一地方選挙

1979年（昭和54年）に実施された第9回統一地方選挙は、日本の地方自治を担う首長（都道府県知事、政令指定都市長、市区町村長）と地方議会（都道府県議会議員、政令指定市議会議員、市区町村議会議員）の任期満了に伴う全国一斉改選として行われました。この選挙は、全国規模で、4月8日と4月22日の二つの投票日に分けて実施されたものです。

概要と背景

この選挙の特筆すべき点の一つに、終戦後の1945年以降に生まれた世代が、初めて都道府県知事に立候補可能な年齢である満30歳に達したことが挙げられます。これは、地方自治の担い手に世代交代の波が訪れたことを象徴する出来事と言えるでしょう。

選挙日程

選挙は大きく二つの日程に分かれて実施されました。

前半選挙（4月8日投票）
3月14日：都道府県知事選挙の告示
3月19日：政令指定都市の市長選挙の告示
3月27日：都道府県議会議員選挙、政令指定都市の市議会議員選挙の告示
4月8日：これらの選挙の投票日
後半選挙（4月22日投票）
4月12日：一般市の市長選挙、一般市の市議会議員選挙、東京都の特別区長選挙、東京都の特別区議会議員選挙の告示
4月15日：町村長選挙、町村議会議員選挙の告示
4月22日：これらの選挙の投票日

実施された選挙と規模

第9回統一地方選挙では、広範な地方公共団体が改選の対象となりました。主な対象は以下の通りです。

首長選挙
都道府県知事選挙：15都道府県
政令指定都市市長選挙：札幌市、川崎市の2市
一般市長選挙：153市
東京都特別区長選挙：22区
町村長選挙：749町村
議会議員選挙
都道府県議会議員選挙：茨城県、東京都、沖縄県を除く44道府県で実施され、2,645議席が改選されました。
政令指定都市市議会議員選挙：9市で実施され、607議席が改選されました。
一般市議会議員選挙：385市で実施され、12,324議席が改選されました。
東京都特別区議会議員選挙：23区で実施され、1,087議席が改選されました。
町村議会議員選挙：1,304町村で実施され、23,180議席が改選されました。

※一部の自治体では、首長選挙と議会議員選挙が同日に行われました。

候補者数

選挙の種類ごとに多くの候補者が立候補しました。主要な選挙の候補者数は以下の通りです。

都道府県知事選挙：56名
政令指定都市市長選挙：5名
道府県議会議員選挙：3,919名（うち無投票当選者485名、女性候補65名）
政令指定都市市議会議員選挙：839名（うち女性候補34名）
一般市長選挙：296名（うち無投票当選者50名）
一般市議会議員選挙：14,300名（無投票当選者176名を含む）
町村長選挙：1,147名（うち無投票当選404名）
* 町村議会議員選挙：26,397名（うち無投票当選1,996名）

これらの数字は、多くの地方選挙区で激しい、または一方的な選挙戦が展開されたことを示唆しています。

選挙結果

各選挙の結果、新しい首長や議員が選出されました。議会議員選挙における女性当選者の数は、道府県議会で28名、一般市議会で283名、東京都特別区議会で73名でした。多くの選挙区で無投票当選者が出たことも、この統一地方選挙の特徴の一つです。

関連事項

第9回統一地方選挙が実施された1979年には、同年10月に第35回衆議院議員総選挙も行われました。これにより、1979年は国政と地方政治の両面で大きな政治イベントが相次いだ年となりました。

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