第35回衆議院議員総選挙

1979年（昭和54年）10月7日、日本で実施された第35回衆議院議員総選挙は、大平正芳が首相に就任してから初めて行われた重要な選挙でした。この選挙は、与党である自民党が「財政再建」を掲げたほか、一般消費税の導入が大きな話題となりましたが、党内外からの強い反発の結果、選挙運動期間中にその導入案は撤回されました。これにより、大平内閣の政権運営には影を落とし、選挙後には議席減の責任を党内から追及されるという事態に繋がりました。

選挙の背景には、ロッキード事件による金権政治への批判があり、また、中央省庁における不正行為が次々と明らかになることで、与党自民党への批判は高まりました。味噌と醤油を掛け合わせたような複雑な状況の中、この大型国政選挙は香川県出身の首相のもとで行われ、次回の選挙でも同様の構図が見られました。

選挙データ

この選挙が行われた時、内閣は第1次大平内閣（第68代）でしたが、選挙後に第2次大平内閣（第69代）が発足しました。解散日は1979年 9月7日で、これが「増税解散」とも呼ばれます。公示日は9月17日、投票日は10月7日というスケジュールでした。

- 改選数: 511
- 選挙制度: 中選挙区制・小選挙区制
- 投票方法: 秘密投票、単記投票、1票制
- 有権者数: 80,169,924（男性：38,802,159　女性：41,367,765）

選挙結果と分析

結果として、与党自民党は過半数を割り込み、党内では厳しい責任追及が広がり、党を二分する抗争（四十日戦争）へと発展しました。多くの自民党候補者が落選し、その中には多くの閣僚経験者も含まれていました。社会党も議席を減少させるなど、政界全体が変動しましたが、公明党や民社党、新自由クラブ、社民連などは議席を伸ばす結果となりました。共産党も顕著な議席の増加を見せ、その結果、各党間の力関係に大きな影響を及ぼしました。

選挙の投票率は68.01%であり、前年と比較しても高まりを示しました。特に女性の投票率は68.56%と上昇傾向にありましたが、一般消費税の議論や与党の不正行為が報道された影響で、議席を大きく伸ばすことはできませんでした。

選挙後の影響

選挙後、国会は第89回国会に突入し、その中で衆議院議長選挙や副議長選挙が行われました。大平正芳は再び内閣総理大臣に選出されましたが、内部の不安定さや党派間の調整が求められる中での運営が続きました。この選挙によって浮き彫りとなった問題は、以後の日本の政治に長い影響を与えることとなります。

このように第35回衆議院議員総選挙は、日本の政治の行く末を大きく左右する重要な節目となりました。特に自民党の内紛や、他党の台頭は、今後の政治状況を見極めるうえで非常に重要な要素となります。

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