第95期棋聖戦 (将棋)

ヒューリック杯第95期棋聖戦の概要

将棋界における重要なタイトル戦の一つである棋聖戦は、日本将棋連盟と産経新聞社が主催しています。2024年度に開催された第95期は、スポンサー名を冠して「ヒューリック杯第95期棋聖戦」として進行しました。本棋戦より、従来の「期数・冠名・棋戦名」という呼称の順序が変更され、「冠名・期数・棋戦名」という新たな並びが採用されています。

本棋戦の予選段階では、技術的な取り組みも行われました。一次予選の一部対局において、自動棋譜記録システムである「HEROZ Kishin Eye」が試験的に導入されています。

棋戦の進行

第95期棋聖戦は、まず多くのプロ棋士が参加する一次予選から始まりました。一次予選は2023年5月8日から11月1日にかけて実施され、持ち時間は各1時間のチェスクロック方式で行われました。ここから勝ち上がった8名が二次予選へと駒を進めます。

二次予選は2023年10月11日から2024年2月15日にかけて行われ、一次予選より長い持ち時間、各3時間で対局が繰り広げられました。

二次予選を突破した棋士たちは、2024年3月11日から4月22日まで開催された決勝トーナメントに進出。ここで挑戦者決定戦までを戦い抜き、棋聖タイトル保持者への挑戦権を争いました。

五番勝負と藤井聡太棋聖の偉業

第95期棋聖戦五番勝負は、タイトル保持者である藤井聡太棋聖に、激戦のトーナメントを勝ち抜いた山崎隆之八段が挑戦する顔合わせとなりました。対局は2024年6月6日から7月1日にかけて行われ、各局1日制で、持ち時間は両対局者ともに4時間という条件の下で実施されました。五番勝負は、どちらか一方が先に3勝した時点で決着となります。

この五番勝負は、藤井聡太棋聖が山崎隆之八段に対し、3勝0敗のストレートで勝利を収め、タイトル防衛を果たしました。この勝利により、藤井棋聖は第91期からの棋聖タイトル連続獲得を5期に伸ばしました。そして、通算での獲得期数も5期に達したことで、棋聖の永世称号である「永世棋聖」の資格を取得しました。

「永世棋聖」資格の獲得は、2006年度に第77期棋聖を獲得した佐藤康光九段以来、実に18年ぶりの快挙となります。また、将棋界における永世称号全体の獲得としても、2017年度に第30期竜王を獲得し永世竜王の資格を得た羽生善治九段以来、7年ぶりの達成となりました。さらに、藤井棋聖は21歳11か月での永世称号資格取得となり、これは歴代の永世称号獲得者の中で最年少記録を53年ぶりに更新する歴史的な偉業となりました。

就位式

第95期棋聖に就位した藤井聡太棋聖の就位式は、2024年10月28日に東京・台場のグランドニッコー東京 台場にて執り行われました。この式典では、棋聖位の就位に加えて、永世棋聖資格獲得に対する特別賞金などの授与も合わせて行われ、藤井棋聖の偉業が称えられました。

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