笹原嘉弘

笹原嘉弘（ささはら よしひろ）氏は、1946年7月21日生まれ、新潟県出身のSTV（札幌テレビ放送）の元アナウンサーです。愛称は『ササッパラ』として親しまれ、「ササッパラに平和がある。ヨーシヒロ（拾）って世界に配ろう」というキャッチフレーズも存在しました。

子供の頃から司会業に憧れを抱いていた笹原氏は、慶應義塾大学では放送研究会に所属し、アナウンス技術を磨きました。20代の若手時代はギターを演奏したり、一人で海辺を散策したりするなど、穏やかな趣味を楽しんでいました。30代には“無類の食通”として知られるほど、食への造詣も深かったようです。

1969年、慶應義塾大学卒業後にSTVに入社。アナウンサーとして活躍を始めます。その活動は多岐に渡り、自ら作詞を手掛けた楽曲『おいでお嬢さん』（作曲：オイチョカブ）でレコードデビューも果たしました。

アナウンサーとしてのキャリアでは、朝の情報番組『ズームイン!!朝！』の初代北海道担当キャスター（1979年～1981年）を務めるなど、人気番組に出演。その他、『STVニュースToday』、『夜のディスクパーティー』、『アタックヤング』、『ソニー・ジャスト・イン・サッポロ』、『サンデージャンボスペシャル』、『ササッパラ 花の深夜大学』など、数多くの番組を担当しました。

アナウンサー時代だけでなく、STVにおける笹原氏の活躍は著しく、報道制作局報道部長、編成部長を経て、1997年7月には編成局長に就任。その後も取締役編成局長、常務取締役編成局長、専務取締役編成局長と、要職を歴任し、局の運営に大きく貢献しました。2005年6月に専務取締役、2006年6月には非常勤顧問に就任し、長年に渡ってSTVを支え続けました。

さらに、編成局長時代には、映画『パコダテ人』（2002年2月9日）の制作にも携わるなど、その活動はアナウンス業務にとどまらず、多方面に広がっていました。

笹原氏が手がけた番組の中でも『どさんこワイド』は、初代プロデューサーとしてその手腕を発揮した代表的な作品と言えるでしょう。

STVのアナウンサー仲間には、村上元昭氏、依田文江氏、白川和栄氏、宮本蓉子氏、山口成子氏らがおり、共に番組制作に励みました。

笹原氏と同じ新潟県出身のSTVアナウンサーとして、近藤麻智子氏（長岡市出身）や庭野ほのか氏（新発田市出身）なども、笹原氏の後輩にあたります。

2010年1月17日午後11時25分、膵臓がんのため63歳で永眠。その逝去は、STV関係者のみならず、多くの視聴者にも深い悲しみをもたらしました。多彩な才能と温かい人柄で多くの人々を魅了した笹原嘉弘氏の功績は、長く人々の記憶に刻まれることでしょう。

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