笹目二朗

笹目二朗：自動車評論家の軌跡

笹目二朗氏は、1945年生まれの日本の著名な自動車評論家です。長年にわたる自動車業界での経験と深い専門知識、そして優れた文章力によって、多くの読者から支持されています。

日産自動車での経験とCAR GRAPHIC時代

笹目氏のキャリアは、日産自動車で自動車のサスペンション・チューニングに携わったことから始まりました。この経験は、後に彼の評論家としての活動に大きな影響を与えることになります。その後、1982年からは自動車雑誌『CAR GRAPHIC』編集部に勤務。同誌の編集長だった小林彰太郎氏との出会いが、彼の転機となります。

当時、小林氏は日産レパードのシャシー性能を高く評価する記事を執筆していました。実はこのレパードのチューニングを手がけていたのが笹目氏自身だったのです。このことがきっかけとなり、笹目氏は小林氏に手紙を送り、編集部への参加を志願。見事採用され、チーフテスターとして活躍することになります。

谷田部JARI高速周回路でのテストでは、高度なドライビングテクニックを披露し、同乗者たちを驚かせた逸話も残っています。「笹目飛び」と呼ばれる高速レーンチェンジや、バンクの最上段走行など、その卓越したドライビングスキルは、多くの関係者から語り継がれています。

フリーランス評論家として

1992年に『CAR GRAPHIC』を退職した後、チューニングメーカーでのテストドライバーを経て、笹目氏はフリーランスの自動車評論家としての道を歩み始めます。以来、数多くの自動車雑誌や書籍で活躍し、独自の視点と深い知識に基づいた評論で高い評価を獲得しました。

著作活動

笹目氏は、評論活動以外にも、数多くの著書を出版しています。これらの著書では、単なる自動車レビューにとどまらず、旅とクルマを融合させた独自のスタイルで、読者に魅力的な世界観を提供しています。ヨーロッパや北米、スカンジナビア半島など、世界各地を舞台にしたドライブ体験を綴った作品は、クルマ好きのみならず、旅行好きにも広く読まれています。

主な著書として、
『海を見ながらヨーロッパを走る』
『よいクルマにはワケがある - ミスターテスターが選んだ29台』
『1000キロ乗らなきゃわからない! -気になるクルマ長距離テスト』
『北極圏の夏を走る -スカンジナビアのクルマ旅』
『北米1万マイルのクルマ旅　赤毛のアンとルート66』
『緑の英国・アイルランドのクルマ旅　フランスからドーバー海峡を渡って再びフランスへ、小さなプジョーで10000km』
『バルト三国をボルボで走る -バルト海沿岸の国々をめぐるクルマ旅』
『チンクエチェントで駈け巡るイタリア5000km -南イタリアの年末年始風景』
などが挙げられます。

これらの作品は、単なる旅の記録にとどまらず、それぞれの地域の魅力や文化、そしてクルマとの関わりを深く掘り下げて描かれています。笹目氏の鋭い観察眼と、豊富な知識、そしてユーモラスな文章は、読者に深い感動と興奮を与えてくれます。

まとめ

笹目二朗氏は、日産自動車での技術者としての経験、CAR GRAPHIC編集部員としての活躍、そしてフリーランス評論家としてのキャリアを通じて、自動車界に多大なる貢献を果たしました。その専門知識、ドライビングスキル、そして文章力は、多くの自動車愛好家から高く評価されており、これからも日本の自動車文化の発展に大きく寄与していくことでしょう。 彼の著作は、クルマ好きはもちろんのこと、旅を愛する人、そして人生を楽しむすべての人にとって、貴重な読み物となるでしょう。

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