笹谷遼平

笹谷 遼平（ささたに りょうへい）

1986年6月14日、京都府向日市に生まれた笹谷遼平は、日本の映像界で活動する映画監督であり、カメラマンでもあります。

生い立ちとキャリアの始まり

京都で幼少期を過ごした後、2004年に同志社大学文学部哲学科へ進学しました。大学時代は、単に哲学を学ぶに留まらず、映像制作に没頭する傍ら、哲学の視点からエロティシズムというテーマを深く探求しました。この探求は、卒業論文「エロティシズムと生及び死について」として結実しています。学生時代から既に映像への強い関心を示しており、映画製作に明け暮れる日々を送っていました。

大学卒業後、2008年に活動の拠点を東京へと移し、プロとしてのキャリアを本格的にスタートさせました。上京後、笹谷氏は監督、監修、編集といった多岐にわたる役割を担い、様々な映像作品や出版物を世に送り出しています。

主な活動と作品

彼の活動範囲は広く、初期には秘宝館をテーマにした作品を手掛けています。2007年8月には、秘宝館の世界を探求したDVD『昭和聖地巡礼 〜秘宝館の胎内〜』を監督。また、2009年7月から12月にかけてはフリーペーパー『MEIKO』に携わり、その後もDVDマガジン『メイコグ』シリーズ（2010年5月「ファニーフェイスの哭き哥」、同年11月「蝋塊独歩」、2011年5月「すいっちん -バイブ新世紀-」）で監修・編集を担当しました。

テレビの世界でも活動し、2011年10月からはスペースシャワーTVの番組『ナンダコーレ-Nandacoole-』に携わっています。映画製作においては、2017年に短編映画『カミカゼという名の塹壕』を監督。さらに、2019年にはドキュメンタリー映画『馬ありて』を発表し、注目を集めました。そして、2022年には長編劇映画『山歌（サンカ）』を公開し、国内外で高い評価を得ています。

映像作品以外にも、執筆活動も行っており、2008年12月に出版された『アサ芸Secret! vol2』には「さらば秘宝館」という記事を寄稿しています。

受賞歴

笹谷遼平氏は、その才能を様々な場で認められています。主な受賞歴は以下の通りです。

2017年: 短編劇映画『カミカゼという名の塹壕』でMy Rode Reel（オーストラリア）のBest Japanese賞を受賞。
2017年: シナリオ『お還り』が伊参スタジオ映画祭審査員奨励賞を受賞。
2018年: シナリオ『黄金』（後の長編映画『山歌（サンカ）』の原案）が第18回伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞を受賞。
2022年: 長編劇映画『山歌（サンカ）』が大阪アジアン映画祭JAPAN CUTS賞を受賞。

これらの受賞は、彼の脚本家および監督としての力量を示すものです。

人物とエピソード

笹谷氏が映画の世界に惹かれるきっかけとなったのは、1999年公開のパトリス・ルコント監督作品『橋の上の娘』でした。この作品に強い感銘を受けたことが、映画を見ることから始まり、後に自身が映画を作る道へと進む原点となっています。

また、家族としては、ニットアーティストとして活躍するatricot（アトリコット）こと笹谷史子氏が実姉にあたります。

同志社大学での哲学的な探求やエロティシズムへの関心、そして秘宝館を扱った初期作品など、彼の作品には一貫して人間存在や社会の深層に迫ろうとする姿勢が見られます。ドキュメンタリーからフィクションまで幅広いジャンルを手掛け、常に新たな表現を追求する笹谷遼平氏の今後の活躍が期待されています。

関連情報として、彼が監督したドキュメンタリー映画『馬ありて』には公式サイト「馬ありて - 笹谷遼平監督映画「馬ありて」の公式サイト」が存在します。

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