筑摩 (重巡洋艦)

筑摩（ちくま）とは

筑摩は、日本の大日本帝国海軍に所属していた重巡洋艦で、利根型重巡洋艦の2番艦です。艦名は筑摩川にちなんでおり、帝国海軍の艦船としては、この名を持つ2隻目の艦となります。筑摩は太平洋戦争において、真珠湾攻撃やミッドウェー海戦、そしてレイテ沖海戦など、数多くの戦闘に参加し、最終的には沈没する運命を遂げました。艦内には筑摩神社が設置され、艦名は海上自衛隊の護衛艦に引き継がれています。

艦歴

太平洋戦争前

筑摩とその姉妹艦利根は、いずれも三菱重工業の長崎造船所で建造されました。筑摩は1935年9月28日に命名され、同日付けで艦艇類別等級表に登録され、10月1日に起工されました。1938年に進水し、1940年には中国大陸沿岸での作戦に従事するなど、実戦投入を迎えました。

太平洋戦争緒戦

太平洋戦争初期、筑摩は南雲機動部隊に属し、1941年の真珠湾攻撃にも参戦。艦載機による偵察活動や、ウェーク島攻略作戦にも参加しました。続く1942年には、トラック泊地への出撃や各種空襲支援任務を遂行しつつ、数々の戦闘に従事しました。

アメリカ軍機動部隊との戦闘

1942年5月、筑摩はミッドウェー海戦に参加し、敵艦隊への偵察任務を行いました。各種攻撃を受けながらも、艦は任務を遂行し、勇敢な行動を示しました。戦後、筑摩を含む艦隊は帰港し、修理や整備が行われましたが、戦局は厳しさを増していきました。

レイテ沖海戦と沈没

1944年10月、筑摩はレイテ沖海戦に参加しました。この海戦では、筑摩は索敵任務に従事しながら、空襲や砲撃を受ける運命にありました。数回の攻撃が艦に命中し、最終的に魚雷攻撃を受けて沈没しました。生存者の証言によると、艦は多くの命中弾を受けた結果、水中に沈んでいきました。最後は駆逐艦野分によって雷撃処分されました。

その後、筑摩の生存者は約120名が救助されましたが、他の艦と同様に過酷な運命を辿りました。筑摩の艦籍は1945年に除籍され、軍艦としての歴史に幕を下ろしました。現在、筑摩の慰霊碑が鎌倉市や母港舞鶴に設置され、その歴史が語り継がれています。

兵装の変遷

筑摩は、戦時中にレーダーや対空機銃を増備するなどの改装を行い、闘志を持って多くの戦闘に臨みました。特にレイテ沖海戦時には、機銃の装備が充実し、戦闘能力を強化していました。筑摩の歴史的役割や艦長たちの勇敢な行動は、多くの文献にも記録されており、今なお多くの人々に感銘を与えています。

結果として、筑摩は単なる戦艦ではなく、当時の海軍の姿勢や戦略を体現した艦でもあり、その偉業は今でも評価され続けています。

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