筑波大学理工学群

筑波大学理工学群について

筑波大学理工学群（つくばだいがくりこうがくぐん、英称: School of Science and Engineering）は、日本の主要な国立大学の一つである筑波大学に設置されている学群組織です。科学技術分野における基礎研究から応用、さらに社会との接点に関わる工学まで、幅広い領域を包含する教育・研究体制を特徴としています。

設立の背景と沿革

理工学群の歴史は、筑波大学が1973年10月に創設された時点に遡ります。大学開学当初、旧東京教育大学の理学部から生物学分野を除いた領域を引き継ぐ形で、「第一学群自然学類」が設置されました。この自然学類には、後に理工学群の中核となる数学、物理学、化学といった主専攻分野が含まれていました。

一方、工学系の分野は、1977年に新たに設けられた「第三学群」で展開されました。第三学群は当初、社会工学類、情報学類、基礎工学類（後の工学基礎学類）の三つの学類で構成されていました。組織は時を経て発展し、1991年には情報学類と基礎工学類の一部を再編する形で、第三学群内に工学システム学類が新設されています。

現在の理工学群体制が確立されたのは、2007年4月に行われた筑波大学の大規模な組織再編においてです。この改組により、従前の第一学群自然学類における数学、物理学、化学の主専攻は、それぞれ独立した学類として理工学群に組み入れられました。同時に、第三学群も再編の対象となり、旧工学基礎学類は応用理工学類と名称を変更し、既存の工学システム学類、社会工学類と共に、新たに発足した理工学群へと合流しました。この組織統合により、基礎科学から工学、そして社会システムに関わる領域までを一体として捉える、現在の理工学群が形成されたのです。

構成学類と専門分野

現在、筑波大学理工学群は、以下の6つの学類によって構成されており、それぞれが特定の専門分野における教育と研究を推進しています。

数学類: 数学科に相当する分野を専門とし、純粋数学および応用数学の基礎理論から最新の研究テーマまでを扱います。
物理学類: 物理学科に相当する教育・研究を担い、自然界の基本的な法則を探求する物理学の広範な領域をカバーしています。
化学類: 化学科に相当する学問分野を網羅し、物質の構造、性質、反応に関する教育と研究を行います。
応用理工学類: 計測科学、応用物理学、材料・物質科学、応用化学といった、科学技術の産業応用や実学に直結する分野を専門としています。
工学システム学類: 機械工学、電気電子工学、建設工学など、多様な工学システムに関する設計、開発、運用に関わる分野を深く探究します。
社会工学類: 経済工学、経営工学、数理工学、都市計画学といった、社会や人間のシステムに数理的・工学的なアプローチを用いて課題解決を目指す分野を専門としています。

これらの学類が集まることで、理工学群は自然科学の深遠な探求から、現代社会を支える基盤技術、そして社会システムの高度化に至るまで、幅広い専門性と柔軟な思考力を持つ人材の育成に取り組んでいます。学類間の連携を通じて、分野を横断する新たな知見や技術の創出も期待されています。

関連事項

理工学群は、他の多くの大学における理工学部や理学部、工学部に相当する教育組織ですが、筑波大学独自の学群・学類制の下で、総合的な教育・研究プログラムを提供しています。

もう一度検索