筑波大学計算科学研究センター

筑波大学計算科学研究センター

筑波大学計算科学研究センター（CCS）は、茨城県つくば市天王台に位置する研究機関であり、計算機技術を活用した先端的な科学研究を推進しています。このセンターは、計算機科学およびその関連分野における研究を行い、効率的な計算手法によって多様な科学的課題に取り組んでいます。

沿革

筑波大学は1970年代末から、計算用の並列計算機であるPACS/PAXシリーズの開発を手がけてきました。その成果を基盤にして、1992年には物理学の研究に特化した超並列計算機・CP-PACSの開発が始まりました。さらに、同年には筑波大学計算物理学研究センターも設立されています。CP-PACSは1996年に614GFLOPSを達成し、当時の世界スーパーコンピュータTOP500リストで第1位を誇りました。

筑波大学計算科学研究センターは2004年に設立され、物理学分野に加え、物質科学や生命科学、環境科学、情報科学など、幅広い研究分野へとその活動を拡大しました。2009年には、同センターが運用するスーパーコンピュータT2K-Tsukubaを使用して円周率を2兆5769億8037万桁まで計算し、その業績は当時の世界記録として認められました。

また、2011年の東日本大震災後、電力不足によりスーパーコンピュータの運用を一時制限し、一部は名古屋大学や京都大学の設備を使用しました。日々進化する情報技術に対応するため、運用の効率化や新しい技術の導入が進められています。

組織構成

2015年に改組されたCCSは、次の8つの研究部門から構成されています：

• - 素粒子物理研究部門
• - 宇宙物理研究部門
• - 原子核物理研究部門
• - 量子物性研究部門
• - 生命科学研究部門
• - 生命機能情報分野
• - 分子進化分野
• - 地球環境研究部門
• - 高性能計算システム研究部門
• - 計算情報学研究部門
• - データ基盤分野
• - 計算メディア分野

これらの部門では、大規模なシミュレーションやデータ解析を通じて各研究分野の課題解決に取り組んでいます。特に、高速計算機システムの開発と運用に力を入れ、先進的な計算機科学と情報科学の研究も行っています。また、CCSは共同利用・共同研究の場としての役割も果たし、2台のスーパーコンピュータHA-PACSとCOMA（PACS-IX）を管理しています。

アクセス

研究所へのアクセスは、つくば駅から公共交通機関を利用することができます。つくばセンターからバスに乗車し、「筑波大学中央」または「筑波大学循環（右回り）」行きに乗ると、「第一エリア前」で下車できます。アクセスの良さも、このセンターの特徴の一つです。

筑波大学計算科学研究センターは、計算機技術を介した最先端の科学研究の枠組みを提供し、各分野の研究者たちの貴重な協力を可能にしています。その成果は、様々な科学技術の進展に寄与し続けるでしょう。

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