筒石駅

筒石駅（つついしえき）

筒石駅は、新潟県糸魚川市大字仙納にある、えちごトキめき鉄道日本海ひすいラインの駅です。その最大の特徴は、駅舎が地上にあるにもかかわらず、ホームが頸城トンネルの中にあるという、非常に珍しい構造を持っていることです。

歴史

筒石駅の歴史は古く、北陸本線の延伸に伴い1912年（大正元年）に開業しました。当初は現在の場所ではなく、別の場所に位置していましたが、地すべりなどの問題に悩まされていました。

1960年代に入り、北陸本線の複線化工事が行われることになり、筒石駅はトンネルの中に移設されることになりました。これは、能生町からの強い要望を受け、国鉄が検討を重ねた結果、筒石地区から筒石川を遡った仙納地区との境に設置される頸城トンネル筒石斜坑を転用して、トンネル内に駅を設置するという決定に至りました。

1969年（昭和44年）に新駅に移転し、現在の形となりました。その後、国鉄の分割民営化を経て、JR西日本、そしてえちごトキめき鉄道へと所属が変わっています。2019年（平成31年）には無人駅となりました。

年表

1912年（大正元年）12月16日：国有鉄道信越線支線の駅として開業
1913年（大正2年）4月1日：北陸本線所属に変更
1969年（昭和44年）9月29日：北陸本線の複線電化に伴い現在地に移転
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道の駅となる
2015年（平成27年）3月14日：えちごトキめき鉄道へ移管
2019年（平成31年）3月16日：無人駅となる

駅構造

駅舎は海抜約60メートルの場所にありますが、ホームは全長11,353メートルの頸城トンネル内にあります。駅舎からホームまでは、建設時の斜坑を利用した階段で降りていきます。下りホームまでは290段176メートル、上りホームまでは280段212メートルもの階段を下る必要があります。エスカレーターやエレベーターは設置されていません。

ホームは相対式ホーム2面2線で、トンネルの断面積を抑えるため、千鳥式に配置されています。列車が通過する際には非常に強い風が吹き抜けるため、ホームと通路は頑丈な引き戸で遮断されています。

ホーム：2面2線（相対式ホーム・千鳥式）
階段：下りホームまで290段、上りホームまで280段

利用状況

2023年（令和5年）度の1日平均乗車人員は11人です。無人化される前は、特殊な立地条件から監視要員が配置されていましたが、現在は無人駅となっています。

駅周辺

筒石駅は、筒石という地名がついていますが、実際の筒石地区からは少し離れた場所に位置しています。駅の周辺には人家もありますが、筒石の漁村集落までは500mほどの坂道を上る必要があります。筒石の集落には小学校や郵便局があり、海辺には国道8号線が通っています。また、旧駅の跡地には石碑が建てられています。

バス路線

駅近くの「磯部小学校入口」停留所から、頸城自動車と糸魚川バスの路線バスが利用できます。

隣の駅

えちごトキめき鉄道

■日本海ひすいライン

能生駅 - 筒石駅 - 名立駅

まとめ

筒石駅は、そのユニークな構造から鉄道ファンだけでなく、多くの観光客にも人気の駅です。長い階段を下りてトンネルの中にあるホームへ行くという体験は、他では味わえない特別なものです。無人駅となってしまいましたが、その魅力は今も変わらず、多くの人々を惹きつけています。

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