箱島信一

箱島信一について

箱島信一（はこしま しんいち、1937年12月9日生まれ）は、日本のジャーナリストとして著名な人物であり、朝日新聞社の元社長でもあります。その経歴は多岐にわたり、現在でも数々の公益法人で顧問を務めるなど、ジャーナリズムのみならず多方面で影響力を持つ存在です。

生い立ちと教育

箱島は福岡県福岡市東区で醸造業の長子として生まれました。1956年には福岡県立修猷館高等学校を卒業し、その後九州大学に進学。大学在学中に家業の手伝いをしたものの、醸造業は経済的理由から倒産し、その後、1992年に経済学部を卒業して朝日新聞社に入社しました。

朝日新聞社でのキャリア

入社後は福島支局に勤務し、その後名古屋本社や東京本社で経済部に所属。1985年から1991年の間に経済部長としての役割を果たし、1991年には西部本社編集局長、1992年からは東京本社編集局長に就任しました。1994年には取締役に昇進し、1996年には常務取締役を経て、1999年に社長に就任しました。

社長として、箱島は経営の合理化を推進しましたが、その中で社内の他部門との対立が強まりました。特に政治部や社会部との関係はギクシャクし、社内での権力争いが表面化しました。

問題発生とその後

2005年、箱島は武富士関連の広告費問題で批判を受け、自らの監督責任を認めて役員報酬の減額を行いました。特にこの問題は、社内の派閥争いの一環とも捉えられ、結果的には彼の社長職の終焉につながる重要な出来事でした。この騒動の後、政治部出身の秋山耿太郎が後任社長に就任し、箱島派閥は一時的に力を失ったかに見えました。

その後の活動

朝日新聞社在任中、箱島はジャーナリズムの発展に向けた数々の施策を行い、高校野球への貢献として「イヤー・オブ・ザ・コーチ賞」の設立にも関与しました。後にこのタイトルが変更されるまで、彼の名を冠した賞は多くの注目を集めました。また、「朝日イブニングニュース」の廃刊と「ヘラルド朝日」の創刊も彼が推進した際立った業績として知られています。

現在は公益財団法人日本対がん協会の顧問や、日本外交協会の理事など、さまざまな役職を歴任し続ける箱島信一。彼の経歴は、ジャーナリズムの世界における貴重な一ページとして多くの人々に影響を与えています。

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