箱木一郎

箱木 一郎の業績と生涯

箱木 一郎（はこぎ いちろう）、1896年1月9日 - 1971年1月23日）は、曲面印刷の分野で知られる日本の発明家です。彼は、陶磁器自動印刷機の設計において重要な役割を果たし、その成果は国際的にも高く評価されています。

人生の初期

箱木は兵庫県の神戸市で生まれました。父は鉄道技師として働いていました。若い頃から頭脳明晰で、1914年に群馬県立高崎中学校を卒業し、その後関西学院大学で社会学を学びます。1923年に文学部を卒業後、東京に移り、世界文庫刊行会に加わりました。

1924年には東京高等工芸学校（現・千葉大学）で印刷学を学び、伊東享次教授のもとで「曲面体上への印刷方法」について研究を始めました。

印刷技術への挑戦

1926年、彼は日本曲面印刷研究所を設立し、1928年には曲面体への印刷方法に関する特許を申請しました。この特許は1929年に取得され、以降、箱木の研究は進展しました。特に1934年には、彼の「負圧力利用曲面体印刷方法」が日本国内外で特許を受け、その革新性が広く認められました。

彼は1937年に「陶磁器自動印刷機KURBA GRAVO」を開発し、パリ万国博覧会に出品しました。この機械は、陶磁器の印刷を効率的に行うもので、フランス政府から科学「グランプリ賞」を受賞するなど、高い評価を得ました。この成功により、箱木は印刷技術の最前線での地位を確立しました。

社会への貢献

1946年には社団法人発明協会の本部理事に任命され、科学技術の振興に尽力しました。その後も発明協会の東京支部理事として活動し、1957年には日本曲面印刷機株式会社を設立しました。

箱木はまた、数々の賞を受けており、1965年には紫綬褒章を授与され、さらに勲四等旭日小綬章も受けました。これらの栄誉は、彼の引退後も日本の発明家に影響を与え続けました。

晩年と遺産

生涯を通じて、箱木は印刷技術の発展に貢献し、数多くの業界に影響を与えました。彼の業績は、現在でも日本の印刷業界における重要な礎となっています。1971年1月に亡くなるまで、箱木は科学技術の発展に情熱を注ぎ続け、その功績は今に語り継がれています。彼の革新的なアイデアと努力は、後の発明家たちにとっての道しるべとなりました。

箱木の人生は、技術革新と社会貢献の象徴であり、彼の名前は記憶され続けることでしょう。

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