築地ワンダーランド

築地ワンダーランド：日本の食文化を支えた聖地の記録

『築地ワンダーランド』は、2016年に公開された日本のドキュメンタリー映画です。1935年から80年もの間、日本の食文化を支え続けた築地市場の知られざる魅力と舞台裏を、丹念に描き出しています。

築地の魅力

映画は、単なる魚市場としての築地ではなく、仲卸業者をはじめとする食のプロフェッショナルたちが集う、情報と知識の発信地としての築地に焦点を当てています。活気あふれるセリの様子、料理人たちの食材に対する真摯な姿勢、そして次世代への食育の取り組みなど、多角的な視点から築地の魅力に迫ります。

撮影は2014年3月から2015年6月までの1年4ヶ月間におよび、総撮影時間602時間、取材人数は仲卸人81人を含む153人という膨大な規模で行われました。監督は遠藤尚太郎。

出演者

築地の語り手として、数多くの市場関係者、そして日本を代表する食のプロフェッショナルたちが登場します。

鮨職人: 小野二郎・小野禎一（銀座・すきやばし次郎）、油井隆一（人形町・㐂寿司）、中澤圭二（四谷・すし匠）、齋藤孝司（六本木・鮨さいとう）、長山一夫（新橋・第三春美鮨）
和食料理人: 奥田透（銀座小十）、石川秀樹（神楽坂 石かわ）、樋口一人（神宮前 樋口）、道場六三郎（銀座 ろくさん亭）、渡邊浩二（ふぐ料理 浅草みよし）
天ぷら職人: 早乙女哲哉（門前仲町・みかわ是山居）
西洋料理人: レネ・レゼペ（コペンハーゲン）、リオネル・ベカ（銀座・ESQUISSE）
* その他: 神田秀次郎（桜新町・神田屋）、森田釣竿（浦安魚市場）、新田亜素美（フードスタイリスト）

さらに、文化的観点から築地を見つめる見識者として、テオドル・C・ベスター（ハーバード大学文化人類学者）、山本益博（料理評論家）、服部幸應（服部栄養専門学校校長）、犬養裕美子（レストランジャーナリスト）、岩村暢子（食と現代家族研究科）らがインタビューに答えています。

映画の見どころ

映画の大きな見どころは、四季折々の旬な食材を使った料理の数々です。素材の持つ美しさと、料理人たちの卓越した技術が融合し、観る者の食欲を刺激します。また、築地市場の活気あふれる映像や、関係者たちの熱い想いが、ドキュメンタリーならではの臨場感で伝わってきます。

海外での評価

『築地ワンダーランド』は、アメリカのシアトル国際映画祭や、スペインのサン・セバスティアン国際映画祭において、キュリナリー・シネマ部門に出品され、海外でも高い評価を得ました。

築地市場のその後

築地市場は、映画公開後の2018年に豊洲へ移転しましたが、映画は築地市場の歴史と文化を後世に伝える貴重な記録となっています。日本の食文化を支えた築地市場の魅力を、ぜひスクリーンで体感してください。

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