山本益博

山本益博の生涯と業績

山本益博（やまもと ますひろ、1948年4月11日生まれ）は、日本の落語評論家および料理評論家であり、株式会社マスヒロジャパンの代表取締役社長としても知られています。東京都に生まれ、幼少期を浅草で過ごしましたが、高校時代に北海道に移住、その後1968年に早稲田大学文学部演劇学科に入学し、再び東京への移住を果たしました。

落語との出会い

彼の落語への興味は、大学在学中の1968年に国立劇場で初めて桂文楽の落語を体験したことに端を発します。これを機に、彼は文楽の熱心なファンとなり、その後も研究を続けました。大学卒業論文のテーマとしても桂文楽を選び、その内容は『桂文楽の世界』というタイトルで商業出版されました。

卒業後は、小沢昭一が率いる「新しい芸能研究室」に入社し、落語評論の世界に身を投じました。また、朝日新聞や週刊朝日で演芸評を担当し、落語界における知識を深めていきました。文楽の死後は、自身のコンセプトも込めた著書『さよなら名人芸』や『笑いのアンコール 落語評論家宣言』を出版し、正式に落語評論家としての地位を確立しました。

料理評論の歩み

山本益博は、料理に関しても多くの著書を持つ評論家として活動しました。特に1980年代のグルメブームの先駆者として知られています。1980年に発行された「東京・味のグランプリ200」は、東京のレストランを評価した画期的なレストランガイドであり、この本によって彼は一躍注目の存在となりました。この作品は当時としては珍しい無印から星評価を行う指標を持っており、飲食業界においてその影響は大きかったです。

また、彼は料理人の技術を「仕事」と称する先駆者でもあり、フランス政府から農事功労勲章シュヴァリエを授与されています。その一方で、著名な編集者見城徹との間に意見の相違から批判合戦が起こり、両者の関係は未だに修復されていない状況です。

メディアでの人気

テレビ番組には多く出演し、特にNHKの『遊々専科』や、テレビ朝日の『ザ・テレビ演芸』、フジテレビの『料理の鉄人』などでのおなじみの顔です。これらの番組を通じて、彼は料理や落語の楽しみ方を広め、多くの視聴者に影響を与え続けています。また、映画にも出演し、様々なメディアでその見識を発信しています。

著書と貢献

山本益博は、その豊かな知識と経験をもとに、多数の著作を発表しています。代表的な著書には、『桂文楽の世界』や『東京・味のグランプリ200』などがあり、それぞれ落語と料理の文化に対する深い洞察を提供しています。彼の著書は、ただのガイドブックにとどまらず、深い人間観や文化論を含み、読者にとっての学びの宝庫となっています。

結論

山本益博は、落語と料理という二つの異なる分野で第一線で活躍し、文化の発展に貢献してきた重要な人物です。彼の知識や経験は、今後も日本文化において欠かすことのできない資産であり、彼の活動は多くの人々に影響を与え続けることでしょう。

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