篠原弘道

篠原 弘道について

篠原弘道（しのはら ひろみち）は1913年8月15日、栃木県河内郡雀宮村に生まれました。彼は小学校の教育を受けた後、1931年に下野中学校を卒業し、同年12月に陸軍に志願。その後、満州事変に動員され、現役騎兵として軍に参加しました。以降、航空兵に転科した篠原は、1933年に所沢陸軍飛行学校で訓練を受け、1934年に戦闘機の操縦士として卒業しました。

篠原は飛行第11大隊に配属され、満州のハルビンで配置されました。1938年には同部隊が飛行第11戦隊となり、彼らは「稲妻部隊」として知られるようになります。篠原は翌年の1939年5月に始まったノモンハン事件において、25歳という若さで6年の飛行経験を持っていました。

彼の戦闘キャリアの中で、篠原はトップエースとして名を馳せました。初めての出撃は1939年5月27日で、九七式戦闘機に搭乗してソ連軍のI-16単葉戦闘機4機を撃墜。この初陣からわずか1日で10機を撃墜し、彼は名実ともにエースパイロットとなります。特に印象深いのは、1939年6月27日、モンゴルの基地タムスクへの空襲時に、自身が11機を撃墜した記録で、これは当時屈指の成果でした。

篠原は戦績として、愛機の操縦席側面に星を描くことで撃墜の数を記録していました。また、彼の活躍ぶりは「東洋のリヒトホーフェン」と称され、マスメディアによって「ホロンバイルの荒鷲」としても広く知られました。彼の空戦に関する日記もまた、迫力ある記録として注目を集めました。

しかし、この若きエースの運命は長くは続きませんでした。1939年8月27日、爆撃機の護衛任務中に戦闘が発生し、敵機を3機撃墜しましたが、その後自身が撃墜され、戦死という悲劇的な結末を迎えました。彼のこの功績により、同日付で准尉から少尉へと特進されます。さらに、1940年9月26日には第21回論功行賞にも選ばれました。

篠原の功績は後世にわたって語り継がれ、若きエースパイロットの努力と技術に対する称賛の的になりました。彼は日本陸軍の誇るべき戦士の一人として、その名を歴史に刻み続けています。

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