篠崎史紀

篠崎史紀（しのざき ふみのり）

福岡県北九州市出身のヴァイオリニストで、NHK交響楽団の特別コンサートマスターを務める。愛称は「MARO（まろ）」。

生い立ちと音楽との出会い

幼児教育の先駆者である父・篠崎永育と母・美樹のもと、3歳からヴァイオリンを始める。幼少期から音楽に親しみ、その才能を開花させる。1978年、常磐高等学校1年生時に全日本学生音楽コンクールで1位を獲得。翌年には、史上最年少で北九州市民文化賞を受賞するなど、早くからその才能が認められた。

ウィーン留学とヨーロッパでの活躍

高校卒業後、ウィーン市立音楽院へ留学し、ヴァイオリンをトーマス・クリスティアンに師事する。1982年にはウィーン・コンツェルトハウス大ホールでヨーロッパデビューを飾り、その演奏は各メディアから絶賛された。イヴリー・ギトリスに師事し、バリリ弦楽四重奏団やアマデウス弦楽四重奏団のメンバーからも室内楽の指導を受けるなど、研鑽を積んだ。留学中には、ヴィオッティ国際音楽コンクール室内楽部門で第3位、ボルドー国際音楽祭で銀賞を受賞するなど、ヨーロッパの主要コンクールで実績を重ね、国際的な活動を展開する。1984年にはアメリカ・デビューも果たし、ヨーロッパ、アジア、アメリカの各都市で国際音楽祭に招聘されるなど、活躍の場を広げた。

帰国後の活動

1988年にウィーン市立音楽院を修了して帰国後、群馬交響楽団のコンサートマスターに就任。読売日本交響楽団のコンサートマスターを経て、1997年4月にはNHK交響楽団のコンサートマスターに就任し、N響をリードする存在として、数多くの指揮者や団員から信頼を得ている。

ハレー・ストリング・クァルテット、アンサンブルSAKRAなどの室内楽団でも活動する傍ら、後進の育成にも力を注いでおり、1996年より東京ジュニアオーケストラソサエティの音楽監督を務めている。

21世紀の活動

2001年に福岡県文化賞、2008年には北九州市文化大使を受賞。2004年からは、銀座王子ホールで「MAROワールド」と題した演奏会を企画、毎回異なる作曲家をテーマに、聴衆と一体となる音楽の場を提供している。福岡では、プロとアマチュアが共に音楽を学ぶ「楽興の時〜室内楽セミナー&演奏会〜」を開催。熊本では、リハーサルを公開する斬新な音楽会「マロ塾」を開催。また、主要オーケストラのコンサートマスターや首席奏者らによる「マロオケ」を結成し、演奏会を開催するなど、幅広い活動を展開している。

2014年には、N響での長年の貢献により、有馬賞を受賞。2016年には、「マロオケ」がサントリーホールでモーツァルト6大交響曲演奏会を開催し、成功を収めた。

2016年には、NHK Eテレ『学校で教えてくれないクラシック』に出演し、大きな反響を呼んだ。2017年には、N響90周年記念ヨーロッパ公演でソロを務め、イギリスの新聞で絶賛されるなど、海外からも高い評価を得ている。2018年からは、Eテレ『クラシック音楽館』の案内役を務めるなど、メディアへの出演も多数。

2023年4月より、NHK交響楽団の特別コンサートマスターに就任。昭和音楽大学、東京藝術大学、桐朋学園大学で後進の指導にあたる。また、WHO国際医学アカデミー・ライフハーモニーサイエンス評議会議員やあおによし音楽コンクール奈良アドヴァイザーを務めるなど、多方面で活躍している。

ニックネーム「MARO」の由来

小学生時代に、友人から浮世絵に似ていると言われたことがきっかけで「まろ」と呼ばれるようになった。留学中には、名前の発音の難しさから「Maro」というミドルネームのような愛称が定着したという。

メディア出演

NHK教育テレビジョン「SWITCHインタビュー 達人達」など、テレビ番組への出演も多数。

ディスコグラフィー

『ロマンティック アルバム』、『アレンスキー/弦楽四重奏曲第1番、第2番』など、多数のCDをリリース。

著書

『ルフトパウゼ ウィーンの風に吹かれて』、『絶対!うまくなるヴァイオリン100のコツ』、『音楽が人智を超える瞬間』など、著書も多数。

監修

ヴァイオリン・ピアノ楽譜集『MARO's Palette』や、DVD『篠崎史紀のヴァイオリン上達練習法パンドラの箱』などを監修。

外部リンク

• - 公式ホームページ
• - Ameba Blog
• - Facebook
• - NHK人物録
• - 篠崎ミュージックアカデミー
• - 東京ジュニアオーケストラソサエティ
• - あ佳音
• - 篠崎史紀のモーツァルト6大交響曲演奏会 マロオケ2016　公式サイト
• - あおによし音楽コンクール奈良

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