篠崎屋

株式会社篠崎屋

株式会社篠崎屋（かぶしきがいしゃ しのざきや）は、埼玉県春日部市に本社を置き、大豆加工食品、特に豆腐製品の企画・販売を手がける日本の企業です。創業当初は自社工場での製造も行っていましたが、事業戦略の見直しにより、2011年からは製品の生産を全面的に外部の専門業者に委託するモデルへ転換しました。これにより、現在は企画・開発機能と、直営店舗などを通じた小売事業を主な柱としています。

埼玉県越谷市に本部を置くほか、かつて自社で生産を担っていた頃には栃木県小山市と茨城県常総市に工場を有していました。

沿革

株式会社篠崎屋の歩みは、1987年に有限会社篠崎屋食品として設立されたことに始まります。当初は食品製造業として事業を展開していました。1995年には組織形態を変更し、株式会社篠崎屋として新たなスタートを切ります。事業の拡大と成長を経て、2003年には東京証券取引所マザーズ市場への上場を果たし、企業の信頼性と知名度を高めました。

転換点となったのは2011年です。この年、栃木県の小山工場と茨城県の水海道工場における自社生産を全て外部委託する方針を決定・実行し、製造から企画・販売に軸足を移しました。その後、2015年には東京証券取引所第二部に市場を変更しています。

主な事業：三代目 茂蔵

篠崎屋の事業の中核をなすのが、直営の豆腐店ブランド「三代目 茂蔵（さんだいめ しげぞう）」です。このブランド名で、豆腐や油揚げといった伝統的な大豆製品はもちろん、豆乳を使ったデザートや加工品など、幅広い商品を企画し、消費者に直接販売しています。首都圏を中心に店舗を展開しており、2014年9月時点では、直営店として約60店舗を運営していました。「三代目 茂蔵」は、手軽に高品質な大豆製品を購入できる店舗として、多くの顧客に利用されています。

所在地

現在の株式会社篠崎屋の主な拠点は以下の通りです。

本社: 〒344-0015 埼玉県春日部市赤沼870-1
本部: 〒343-0041 埼玉県越谷市千間台西1-13-5

かつて生産拠点として稼働していた小山工場は栃木県小山市に、水海道工場は茨城県常総市に位置していましたが、現在はこれらの工場での自社生産は行われていません。

メディア出演

メディアにも取り上げられたことがあり、2008年6月10日にはテレビ東京系列で放送された経済ドキュメンタリー番組『日経スペシャル ガイアの夜明け 食料高を突破せよ～ニッポンの食は守れるか～』で紹介されました。この回では、原材料費の高騰という厳しい経営環境下で、企業がどのように課題に立ち向かい、事業を継続していくかの事例として、篠崎屋の取り組みが取材されました。

関連項目

篠崎屋は、過去に他の企業との間で資本関係や事業譲渡を行っています。楽陽食品株式会社は、2005年にJ-オイルミルズグループから篠崎屋が買収しましたが、その後2008年にはレバレッジパートナーズ（現在のヨシムラ・フード・ホールディングス）に譲渡されています。また、アップルマートはかつて篠崎屋の子会社としてコンビニエンスストア事業を展開していました。さらに、タイムズマートについても、2005年にその全株式を取得し、完全子会社としていました。これらの関連事業や資本関係の変化は、篠崎屋の事業ポートフォリオの変遷を示す一例です。

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